国立極地研究所
科研費応募支援、今年度も大詰めを迎えました!

以前の記事で平成27年度前半の科研費応募支援を紹介しましたが、支援も大詰めを迎えました。今年度後半には、新しい取り組みとして9月15日(火)と10月3日(土)に「科研費、書ける日っ!調書執筆ワークショップ」を開催しました。このワークショップは「なかなか調書を書く時間が取れない」という教員の声を受けて企画したもので、調書を書くためのまとまった時間を確保することと、自身の申請課題について名誉教授や副所長、URAや他の研究者と意見交換することを目的としています。
開催日時の調整が遅れて、学会期間中となったり、土曜日となってしまったためか、参加者数自体は5名と多くはありませんでしたが、申請課題の紹介と意見交換では一人30分以上の十分な時間をとって議論をすることができました。また、名誉教授からは審査経験を踏まえた審査時のポイントを聞くことができ、参加した研究者は熱心にメモを取りながら次々に質問を投げかけていました。
10月からはいよいよ調書の査読です。昨年と同様、一つの調書につきURA1名と所長・副所長・名誉教授等1名の計2名体制で査読を行ないました。査読は11月上旬の締め切りぎりぎりまで続き、多い日は4、5件の調書に目を通すこともありました。今年度の極地研からの申請数は昨年度の60件を上回る63件となり、URAの査読数は52件にものぼっています。
一年を通じて様々な形で支援をしているとそれぞれの申請課題に思い入れがあり、一つでも多く採択されてほしいと思うのですが、さてー。来年4月の結果が待たれます。
(礒野靖子)
極地研定例研究談話会でURAを紹介!

国立極地研究所では、隔週水曜日の11:00〜12:15に「極地研定例研究談話会」を開催しています。談話会は4名の幹事(各基盤研究グループから1名ずつ)が取り仕切っており、毎回2名の研究者が自身の研究紹介や最新の研究成果、研究の将来計画などを発表します。また、極地研に新しく着任した教員や特任研究員が自己紹介とこれまでの研究紹介を行ったり、南極観測隊が3月末に帰国した後には越冬隊長や総隊長が観測隊の報告を行うこともあります。ある日の談話会終了後、幹事から「URAの紹介をしてみませんか?」と打診があり、発表を引き受けることになりました。
談話会は研究者だけでなく職員も大学院生も参加しているため、なによりわかりやすく話をしなければなりません。私の発表は「リサーチ・アドミニストレーター(URA)という職業を知っていますか?」というタイトルで、導入では、リサーチ・アドミニストレーター(以下、URA)はどういう人材なのか、URAは大学等にいつ導入され、どのようにシステム整備が進んだのか(リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備、研究大学強化促進事業の紹介)を説明しました。続けてさらに具体的に、URAの業務内容や、情報・システム研究機構内でのURAの体制、研究大学強化促進事業の選定指標や数値目標等を説明し、それらに基づいた極地研でのURAの活動を紹介しました。
発表当日は、所長をはじめ、教員や特任研究員、学生、事務職員など40名近くの参加があり、我々URAの活動を知ってもらう良い機会となりました。
(礒野靖子)
researchmap講習会を開催

2015(平成27)年10月6日(火)、統計数理研究所・URAステーションおよび国立極地研究所・研究戦略企画室が共同で、researchmap講習会を開催しました。
researchmapは、日本の研究者総覧データベースとして、現在約24万人の研究者情報を収録しているサービスです。今回の講習会開催のきっかけは、所内研究者からresearchmapの使用法に関して、まだよく分からない、という声が挙がったことでした。これを受け、両研究所のURAは協力して講習会を企画し、立川地区の研究者等に現状のresearchmapの操作に「慣れて」 いただくことを目的に、実際の使用場面で生まれる具体的な質問(利用者の生の声)を、講師に投げかけ可能な機会としました。
当日は、researchmap運営主体の科学技術振興機構(JST)より白石淳子様(知識基盤情報部・主査)を講師にお迎えし、ご講演の後半では、統数研および極地研の研究者から事前に寄せられた質問への回答・アドバイス等を交えてお話いただきました。また、本講習会には、統数研、極地研の他に、情報・システム研究機構 立川キャンパス近隣の人間文化研究機構 国立国語研究所および国文学研究資料館の計4機関から、研究者やURA、技術職員、補佐員等、計44名が参加しました。
次々と手が挙がった質疑応答の様子からは、各々のresearchmapへの関心度・注目度の高さが感じられ、参加者からは好評の言葉をいただくことが出来、大変有意義な会となりました。
(小川洋子)
国立極地研究所一般公開の開催と情報ひろば巡回展示
2015年8月8日、国立極地研究所一般公開「極地研探検2015」が開催されました。毎年好評の5つの探検ツアーの他、南極昭和基地との生中継!ライブトークや各基盤研究グループによるサイエンスカフェや体験型プログラム、展示など、さまざまな企画が行なわれ、約2,000名もの方が来場されました。一般公開は、全所を挙げての一大イベントで、教職員全員に担当が割り振られます。URA2名は国際北極環境センターの展示と総合案内をそれぞれ担当し、一日中来場者との交流を楽しみました。
また、一般公開に合わせて情報ひろばの巡回展示を行ないました。文部科学省旧庁舎での情報ひろば企画展示は7月末に終了しましたが、その後、各研究所の一般公開等に合わせて同様のコンテンツを巡回展示する予定になっており、その第一弾でした。極地研のスペースはすべて一般公開に使用していたため、正面玄関横の統計数理研究所のスペースを拝借して展示し、一般公開の来場者にご覧いただきました。
(礒野靖子)



今年もいろいろな科研費応募支援を進めています!
平成27年度は年度初めから科研費の応募支援を進めています。4月は「研究活動スタート支援」の応募時期でした。昨年度はURAが着任したばかりで対応していませんでしたが、今年度は応募総数6件のうち、学位を取りたての特任研究員や秋以降に着任した教員などから査読希望のあった5件を査読しました。他の研究機関から極地研に移動してきた研究者は、「以前の所属機関では直属の上司にも調書を見てもらう機会がほとんどなかったため、査読をしてもらえるのはとてもありがたいし、査読の内容も非常に丁寧で参考になる」との感想をいただきました。
極地研に着任したばかりの研究者は、研究戦略企画室がどういった活動をしているのかを知りません。今回の取り組みを通じ、我々の取り組みや企画をメールや掲示板できちんと伝えたり、積極的に活用してもらえるよう丁寧に対応していくことが大切だと感じました。
この他、5〜8月にかけては昨年度に引き続き「科研費再チャレンジ支援」(2014年6月8日の活動報告記事参照)や「科研費研究計画調書検討会」(2014年9月8日の活動報告記事参照)を行ないました。
(礒野靖子)
受賞続々!南極昭和基地大型大気レーダーチームが第8回海洋立国推進功労者表彰を受賞!

前回に続き、研究戦略企画室が関わった受賞推薦支援のうち、表彰に至った海洋立国推進功労者表彰をご紹介します。
南極昭和基地大型大気レーダーチーム(佐藤薫教授(東京大学、国立極地研究所客員教授)、佐藤亨教授(京都大学)、堤雅基准教授(国立極地研究所 宙空圏研究グループ)、西村耕司特任准教授(国立極地研究所 宙空圏研究グループ))が第8回海洋立国推進功労者表彰(内閣総理大臣賞)「海洋に関する顕著な功績」分野において表彰され、平成27年7月16日に総理大臣官邸にて表彰式が行われました。海洋立国推進功労者表彰は、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省および環境省が内閣官房総合海洋政策本部事務局の協力を得て実施しているもので、科学技術、水産、海事、環境など海洋に関する幅広い分野における普及啓発、学術・研究、産業振興等において顕著な功績を挙げた個人・団体に対して表彰されるものです。
受賞内容については下記の功績の概要をご覧ください。なお、この概要は「第8回海洋立国推進功労者表彰の受賞者決定について(文部科学省)」にて公開されています。
(礒野靖子)
受賞続々!山岸久雄名誉教授が地球電磁気・地球惑星圏学会 フロンティア賞を受賞!
宙空圏研究グループの山岸久雄特任教授(国立極地研究所名誉教授)が地球電磁気・地球惑星圏学会のフロンティア賞を受賞することが決定しました。授賞式は平成27年11月2日に行われます。地球電磁気・惑星圏学会は、固体地球・海洋・大気圏・電離圏・磁気圏・惑星間空間・太陽大気・太陽系諸天体といった広範にわたる分野の学会であり、同賞は、学会周辺分野との学際融合研究、革新的技術開発、研究基盤の構築・整備等によって同学会の研究の発展に多大な貢献のあった個人またはグループに贈られるものです。山岸特任教授は、南極昭和基地および南極沿岸・内陸の野外フィールドや、北極アイスランドといった厳しい自然環境の遠隔地に自身が開発した観測装置を設置して観測を行なうなど、工学的な視点から電波・電場観測の拠点を築き、 磁気圏・電離圏の研究に貢献しました。
・推薦理由:極地における電波・磁場観測技術の開発と基盤整備による磁気圏・電離圏研究への貢献
(礒野靖子)
平成27年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞を2件同時受賞!

昨年度に初めて手掛けた書類作成支援がまたひとつ、いや二つ実を結びました!
平成27年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞を、宙空圏研究グループの片岡龍峰准教授と生物圏研究グループの渡辺佑基助教がそれぞれ受賞しました。本申請にあたり、研究戦略企画室では推薦書類の作成に関する支援を行ないました。研究者の研究業績が評価されて受賞に至ったことは言うまでもありませんが、研究戦略企画室の書類作成支援によって研究者個人や所の実績に貢献することができ、喜びもひとしおです。
・受賞業績名
片岡龍峰准教授「宇宙天気予報の革新と新観測技術による高度化に関する研究」
渡辺佑基助教「バイオロギング手法を用いた海洋捕食動物の生態学的研究」
・国立極地研究所ウェブページ ニュースとお知らせ
〜片岡龍峰准教授、渡辺佑基助教が「平成27年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」の若手科学者賞を受賞〜
http://www.nipr.ac.jp/info/notice/20150408.html
(礒野靖子)
女性研究者活動支援室の設置

平成26年度に情報・システム研究機構が女性研究者研究活動支援事業(一般型)に採択されたことを受けて、国立極地研究所では平成27年4月1日に女性研究者活動支援室を設置し、礒野URAが室員(兼務)となりました。これからますます研究支援や研究環境の整備等に取り組んでいきます。
(礒野靖子)
大学共同利用機関としての貢献を示すために
極地研・統数研統合事務部 企画グループ(極地研 学術振興担当)が主導して、共同研究・研究交流等による実績データを示すウェブページを作成し、平成26年度末から公開を開始しました。これは国立大学を中心とした国内の大学に対して、大学共同利用機関としての極地研の貢献を示す取り組みの一つです。
ウェブページでは、論文の共著数、共同研究の人数、研究者や大学院生の受入れ実績、共同利用設備の利用数、データベースの利用数を大学ごとに示しています。研究戦略企画室では、論文の共著機関分析(国立極地研究所に所属している研究者が主著となっている論文において、共著者の数を所属大学・機関別に集計)および論文の主著機関分析(国立極地研究所に所属している研究者が共著となっている論文において、主著者を所属大学・機関別に集計)を行ないました。
現在は平成25年度のデータを掲載しており、これから徐々に内容を追加していく予定です。どうぞご覧ください。
国立極地研究所ウェブページ
国立大学等との共同研究・研究交流等による実績データ
http://www.nipr.ac.jp/kyododata/

(礒野靖子)