国立情報学研究所
NIIオープンハウス2016:産官学連携セミナーを開催

国立情報学研究所 研究戦略室と社会連携推進室では、NIIオープンハウス2016で、企業を対象にした産官学連携セミナーを開催します。本セミナーでは、情報学最前線(「市民講座2015」)で講義した3名の若手研究者が、産学連携(企業向け)の視点から研究領域の動向と自らの研究概要をプレゼンします。研究成果の社会貢献が問われる昨今の状況において、産官学連携強化に向け、多様な研究分野・研究者の研究成果や取組み課題等の最新情報を発信します。この機会に、企業等の研究開発者の皆さまに、NIIの若手研究者の研究を知って頂き、若手研究者との交流スタートを期待するプログラムセッションです。
情報最前線 産官学連携セミナー
日時:5月27日(金)14:30〜15:50
場所:小会議室
発表者:
藤原 一毅[NIIアーキテクチャ科学研究系 特任准教授]
川添 愛[NII社会共有知研究センター 特任准教授]
高山 健志[NIIコンテンツ科学研究系 助教]
NIIオープンハウス2016
http://www.nii.ac.jp/openhouse/
(研究戦略室)
国立情報学研究所 NII SEEDs集刊行

NIIにはどのような研究に強みを持つ研究者が在籍するのか知りたいという企業の方々からいただく声にお応えして、この度、研究概要を分かりやすくご紹介する研究シーズ集「NII SEEDS」2016年度版を作成しました。
『NII SEEDS』はNIIのホームページからダウンロードいただけます。
過去のご紹介はこちらから
2014.04.05
国立情報学研究所 NII SEEDs集刊行
(岡本 裕子)
H27年度第4回URA合同ミーティング開催

2015(平成27)年9月28日(月)、国立極地研究所、国立情報学研究所、統計数理研究所、国立遺伝学研究所の4研究所の分野URAおよび情報・システム研究機構所属のコモンズURA合同で、本年度第4回目のURA合同ミーティング@国立情報学研究所を開催しました。
今回のミーティングではまず、9月上旬に開催されたRA協議会の大会参加に関連して、各自が見聞あるいは発表したURAとしての課題や成果を報告し合う機会が設けられました。過日、幅広く展開された多彩なプログラムを、URAの機能・役割、外部資金獲得、研究力分析・IR、グローバル化、広報・メディア戦略、オープンサイエンス、オプショナル教育研修プログラム(8/31)といったテーマごとに、プログラムへの出席者が報告を行い、情報・システム研究機構への展開方法等について議論しました。
この他、研究大学強化促進事業の進捗確認や、本年度後半に開催予定の機構イベントについてなどを検討した後、次回、年内最後の合同ミーティング開催を確認して、閉会となりました。(写真は司会の丹羽邦彦シニアURA)
(池谷瑠絵)
科研費申請支援活動がスタート!ー NII 科研費 書き方講座も開催

8月31日(月)、研究戦略室と社会連携推進室は、NII所内にて「科研費研究計画調書 種目別書き方講座」を開催しました。
基盤A(越前教授)、基盤B(相澤教授・福田准教授)、新学術領域(稲邑准教授・佐藤いまり教授)の科研費研究計画調書の種目別書き方講座を行いました。科研費採択経験者である教員からは、各種目における科研費調書を書くときの重要ポイントや留意点をお話しいただきました。
冒頭、総括・審査員視点として本位田副所長からは、「保有する技術をベースとして実現可能な具体的な実施計画を書くことが大切である」とアドバイスがありました。喜連川所長からは、「読み手に立った視点で書くように」とし、ある種のサプライズが必要であると述べました。
加えて研究戦略室では、テーマ構想・提出種目検討の段階、申請書のドラフトチェックの段階、コメンテータレビュー後の段階において申請書支援を実施しています。昨年から始まったURAの取り組みですが、利用者からは、「第3者の視点が役だった」などの意見がありました。
科研費採択率向上および科研費採択数増を目指して、研究戦略室では9月・10月と随時の相談活動、締切までの書き方支援を継続的に行っていきます。
(研究戦略室)
イノベーション・ジャパンに出展!

8月27日(木)〜28(金)、JSTとNEDOが主催する「イノベーション・ジャパン2015〜大学見本市&ビジネスマッチング〜」に出展しました。
NIIから出展したのは、坂本 一憲 助教で「WillingRing:行動情報に基づいてモチベーションの維持を支援するシステム」をテーマにポスター展示とプレゼンテーションを行いました。
イノベーション・ジャパンへの出展は、本研究テーマの共同研究・受託研究のパートナー企業開拓およびNIIの新しい産業界の顧客チャネル構築を目的に行いました。2日間で名刺交換できた方は、約50名程度と、顧客チャネル構築の手法として、一定の効果を確認できたかと思います。また、約100部刷った本テーマの配布資料は、最終日28日の午後2時の段階(閉会3時間前)で配布完了状態となりました。
「これはどんな研究ですか?説明してください」と声をかけられることが少なくなく、研究テーマ名はかなり来場者の関心を引き易いタイトルだったと思います。一人に説明していると、その後ろから、その説明を聞きたがる人が集まり出して、通路を狭くするタイミングも度々ありました。行列の出来る店が繁盛するとの例ではありませんが、聞く人がいるポスターに人が集まる傾向があることを実感できました。本出展後、共同研究を視野に打ち合わせを希望する会社や面談調整中の企業がありました。
(研究戦略室)
NII 産官学連携塾(第3回)を開催しました

7月22日(水)に第三回NII産官学連携塾を開催しました。
NII産官学連携塾は、情報学における最先端の研究動向を取り上げ、NIIの研究者と企業・自治体等の方々が出会い、意見交換できる場を目指す産業界向けの公開講座です。第三回は「ビッグデータを始める前におさえておくこと」をテーマに、講義とグループワークショップの二部構成で行われました。
前半はデータマイニングやアルゴリズム研究が専門の宇野毅明教授(NII情報プリンシプル研究系)が、研究者の観点からビッグデータの現状とこれを扱う上のポイントを解説しました。(写真)
現在のビジネスでは「ビッグデータを語るとき目的ではなくインフラの面ばかり論じられる」と指摘。ビッグデータの特徴として一つひとつの情報からは意味が分かり難い点を挙げ、インフラが発達して膨大な情報を入手しても何に利用してよいのか分からないパターンが多いと言います。この問題に対する解決策として有効なことの一つは「現場力による目的=価値の創造」であり、「現場の人」の感覚を活かすこと。データ解析技術を持つ者と現場担当者との共同作業がこれからのビジネスチャンスを見出すためにはきわめて重要であると述べました。
もう一つの価値とデータを結びつける重要なカギは、データを「粒度は荒くても意味の強いデータに変換する」こと。機械学習(ディープラーニング)による網羅的な手法では「分析結果の意味や理由を人間は理解できない場合が多い」とし、機械学習による100%精度の分析よりもデータ抽象化アルゴリズムを用いた60%くらいの精度の分析で強いデータを作り出せる方が効果的であると述べました。「データを収集した段階のストレートな価値ではなく、別の価値へつなげる事例が期待されている」と宇野教授。一例として大量の航空写真から農作物の品質評価を導き出した案件も紹介しました。
ビッグデータは歴史が浅いことから利活用に有効な手段が確立していない、これを克服するためには実際にデータを扱う者同士の意見交換が有効であるとして、後半は参加者を二つのグループに分け、各自が実業務において抱えるビッグデータの状況・課題を共有し協議する時間を設けました。このグループワークショップには若手研究者の坂本一憲助教と秋葉拓哉助教も加わり、専門的意見を発して討議を盛り上げました。
データの扱いに難航した際、大学やNIIなどの研究機関で知識を持つ研究者に相談するのも近道だという宇野教授。研究者と円滑に話を進める秘訣(!)も紹介し、今回の産官学連携塾のような交流の場を活かして、恐れずビッグデータに向かってほしいと述べました。
次回の産官学連携塾は10月13日(火)に、プライバシー侵害への対策を研究する越前功教授(コンテンツ科学研究系)によるプログラムで開催の予定です。
参加方法および詳細は後日NII公式ウェブサイトに公開予定です。
国立情報学研究所ウェブサイト | NII産官学連携塾
http://www.nii.ac.jp/research/iga/juku/
関連記事:
URAウェブサイト | 2015.04.17
NII 産官学連携塾(第1回)を開催しました
(NII研究戦略室)
国立情報学研究所オープンハウス(研究所一般公開)を開催

国立情報学研究所(所長 喜連川 優、以下NII)は、 6月12日・13日の2日間、NIIオープンハウス2015(研究所一般公開)を開催しました。(後援:千代田区)
初日は、喜連川所長の開会挨拶と活動報告「新SINETへ向けて:全国・対米100ギガ化を目指す」の後、基調講演に角川 歴彦氏(株式会社KADOKAWA取締役会長)による「これからのメディアと教育」、中島 震教授(NII)による「見えざるシステムの伸びゆく手:ソフトウェア工学の方向」を行いました。「新学術領域研究発表」では「脳内身体表現の変容機構の理解と制御」をテーマに、「産官学連携交流会」では「AIの可能性:要素技術と応用」をテーマに企業関係者が多数参加し、NIIの研究活動に耳を傾けていました。
2日目は、一橋講堂で「NII研究100連発」を行いました。10名の研究者が、一人10の研究を7分半で発表するもので、白熱したプレゼンは参加者にとって多様な情報学に触れる貴重な機会となりました。当日は400名近い会場参加者に加え、株式会社ドワンゴの協力のもとニコニコ生放送でも生中継を行い、15,500名を超える視聴者がありました。また、初めての企画となる「小中学生のための情報学ワークショップ」を開催し、プログラミング講座やプライバシーを守る技術など、様々な体験ワークショップに190名を超える多くの小中学生が参加しました。このほか、高校生を対象とした「研究体験講座」や「サイエンスライフカフェ」を開催し、幅広い年代層が情報学の一端に触れる催しとなりました。「研究体験講座」に参加した高校生からは、「限られた時間の中で模擬研究をしたのはとても貴重な体験だった」「情報学の研究は以前思っていたものよりも面白いと感じた」「研究は楽しいものであると実感できた」といった感想が寄せられました。
両日とも研究成果について約100のブースでデモ・ポスター展示を行いました。参加者からは「若い人も参加していたので活気があり頼もしかった」「難しいながらも研究者と直接話ができる機会がよかった」といった感想が寄せられました。2日間で1,500名を超える来場があり、アンケートからは、オープンハウスに参加した94%が「満足した」と回答をしていました。
当日の講演映像、研究成果発表のポスターは、一部を除き、NIIのホームページで公開しています。
国立情報学研究所 学術情報基盤オープンフォーラムを開催
国立情報学研究所(所長 喜連川 優、以下NII)は、6月11~12日、学術情報基盤オープンフォーラム「オープンサイエンスに向けた学術情報基盤」を開催しました。
フォーラムでは、オープンサイエンスの動向を踏まえながら今後の学術情報基盤に何が必要となるのかをテーマに、図書館、認証技術等を中心としたセッションが行われました。
イントロダクションでは、漆谷 重雄 NII学術基盤推進部 部長が「オープンサイエンスに向けた学術情報基盤」を発表した後、内閣府 真子 博 参事官補佐から「オープンサイエンスとは~内閣府『国際的動向を踏まえたオープンサイエンスに関する検討会』報告書から~」、大石 雅寿 国立天文台 天文データセンター センター長から「天文学におけるオープンデータ利用:歴史、機構、成果、そして将来」と題しそれぞれの分野からみた学術情報基盤への期待をお話いただきました。
パラレルセッションでは、大学・研究機関の情報基盤サービス構築において今後必要となるクラウド環境の導入についての説明や、CiNii Dや新たに始動したERDBなど学術コンテンツの新サービスの発表のほか、オープンサイエンスに向けた図書館の取り組みをテーマにしたセッションが行われました。
最後を締めくくるパネルディスカッションでは、フロアを含む参加者と活発な議論が繰り広げられ、今後の研究力強化の礎ともなる学術情報基盤のあり方をオープンに議論する場となりました。
当日の講演資料・講演映像や講演録は、一部を除き、NIIのホームページで公開しています。
http://www.nii.ac.jp/csi/openforum2015/
(NII研究戦略室)
第3回 ROIS Science Cafe@情報ひろば を開催

今回の講演者は、国立情報学研究所の大向一輝准教授。国立情報学研究所では、本イベントのある週の週末に2日連続の「オープンハウス&学術情報基盤オープンフォーラム2015」を控えており、今回の講演はいわばその予告編として、学術基盤「SINET5」の話題も交えて行われました。
講演のタイトルは、”「研究力強化」を支援し、研究をつなぐ、学術データ&ネットワーク”。日々の生活に身近なインターネットの概略、データ量の増大を体感できる具体例などから、徐々にネットワークのイメージをつかみ、理解を深めていき、学術ネットワークの現在へとつなぐ構成。研究だけでなく、ネットワーク構築・運用のサービスにも関わるからこそ見えてくる、さまざまな課題や将来像もご紹介いただきました。
今回は、文科省情報ひろばホームページ(http://www.mext.go.jp/joho-hiroba/event/index.htm)にも開催告知を掲載いただき、この効果もあってか、定員の30名近いご来場者を迎えることができました。今回の実施を、今後の広報企画にも活かしていきたいと考えます。
(池谷瑠絵)
NII SEEDS「時代を躍進するNII研究者による研究シーズ集」 2015年度版
詳細:http://www.nii.ac.jp/userdata/seeds/index.html
(NII研究戦略室)