国立遺伝学研究所

情報・システム研究機構シンポジウム「不確実な未来へ:地球規模課題に挑むデータサイエンス」を開催

2021年12月15日、オンラインにて 情報・システム研究機構シンポジウム「不確実な未来へ:地球規模課題に挑むデータサイエンス」 を開催し、大学や企業の研究者など延べ450名を超える方にご視聴いただきました。

藤井良一機構長の挨拶で幕を開け、ご来賓の文部科学省坂本修一大臣官房審議官(研究振興局及び高等教育政策連携担当)によるご挨拶に続き、招待講演として、国立環境研究所の江守正多副領域長より「気候危機のリスクと社会の大転換」、北海道大学の伊藤公人教授より「データサイエンスで病原体の変異と感染症の流行を予測する」、東京大学の藤井康正教授より「自然変動電源大量導入とエネルギーシステムモデル」と題する講演をいただきました。

当機構研究所からは、北極海航路利用のための海氷予報、全球環境変動に関わる南極氷床と南大洋、気象に関する数値予報モデルの一つである大気海洋結合モデルへのデータ同化のアプローチ、ビッグデータと向き合うマイクロバイオーム研究、フェイクメディアの生成・検出技術をはじめとしたインフォデミックを克服するソーシャル情報基盤技術など、様々な分野や観点から地球規模課題の「未来」に関わる研究成果に係る講演が行われました。

大学共同利用機関シンポジウム2021「宇宙・物質・エネルギー・生命・情報・人間文化:フロントの知を楽しもう」を開催

2021年10月24日、オンラインにて「 大学共同利用機関シンポジウム2021(大学共同利用機関協議会・大学共同利用機関法人機構長会議主催) 」が開催され、延べ1,000名を超える方にご視聴いただきました。

当機構の紹介にはじまり、国立極地研究所の平野大輔 助教からは「南極氷床融かす海」と題した研究トークが行われ、日本による近年の大規模観測の結果から明らかになりつつある「南極氷床と海の関わり」について紹介しました。
また、国立遺伝学研究所の酒井則良准教授からは「対外培養で精子形成を再現する」と題した研究トークが行われ、生殖幹細胞から精子の分化までを再現する細胞培養系をゼブラフィッシュで確立したことについて、その研究概略や今後の展望を紹介し、視聴参加者からの質問に2人の研究者より回答するなど、他機構等と共に広く大学共同利用機関の取り組みを紹介しました。

情報・システム研究機構シンポジウム「新型コロナ禍に挑むデータサイエンス」を開催

2021年3月2日、オンラインにて情報・システム研究機構シンポジウム「 新型コロナ禍に挑むデータサイエンス 」を開催し、大学や企業の研究者など延べ600名を超える方にご視聴いただきました。

藤井良一機構長の挨拶で幕を開け、ご来賓の文部科学省杉野剛研究振興局長によるご挨拶に続き、招待講演として京都大学の西浦 博教授から「新型コロナウイルス感染症の数理モデルによる疫学データ分析」と題する講演をいただくとともに、当機構研究所よりウイルスゲノム解析や地理的要因の解明に向けた統計モデリング、メタ・ポピュレーションモデルによる地方への流入リスク分析、人流ビッグデータ、コロナ禍での南極観測、高等教育のニューノーマルといった研究成果に係る講演が行われました。

大学共同利用機関シンポジウム2017で当機構の活動を紹介

大学共同利用機関シンポジウム2017

2017年10月8日、アキバ・スクエア(千代田区)にて、「大学共同利用機関シンポジウム2017(大学共同利用機関協議会・大学共同利用機関法人機構長会議主催)」が開催された。天候には恵まれたものの、三連休の中日とあって人出があまり期待できないなか、627名にご来場・ご観覧いただくことができた。

当機構は、昨年度に引き続きビッグデータ時代における学術データ基盤の共同利用・共同研究について、データサイエンス共同利用基盤施設(DS)を中心に、人文学データの元となる古典籍など、研究成果に関わる具体的な展示物を用いて紹介したり、北極研究やゲノミクスをテーマとした「サイエンスリポートWebSite」の動画展示などを行った。また昨年同様、所属の4研究所と一体感ある展示を展開した。講演ではDSの門倉昭 極域環境データサイエンスセンター長が、当機構の紹介のほか、南極・北極データをテーマにデータサイエンスを紹介した。

極地研の講演は南極からの中継で、昭和基地の田邊優貴子助教が登壇し、会場の質問等に答えるなど、会場をもり立てたほか、情報研の公式キャラクター「情報犬ビットくん」がご来場者と握手を交わすなど、さまざまな手段を駆使して、広く大学共同利用機関の取り組みを紹介した。

大学共同利用機関シンポジウム2017

演壇に立つデータサイエンス共同利用基盤施設 門倉昭 極域環境データサイエンスセンター長

大学共同利用機関シンポジウム2017

人文学オープンデータセンターの研究成果に関わる展示物の様子

(本部機能強化チーム)

RA協議会第3回年次大会に参加

リサーチ・アドミニストレーター協議会(RA協議会)第3回年次大会が2017年8月29日(火)〜30日(水)に、徳島県のあわぎんホール(徳島県郷土文化会館)で開催されました。今回の参加者数は559名で、25の大学セッション、9の企業セッションの他、ポスター発表、口頭発表、企業のブース展示等が行われました。

当機構からは10名が参加し、URAの人的ネットワークの深化・拡大をはかるとともに情報収集に当たりました。前日の8月28日には運営委員会が開催され、当機構から丹羽シニアURAが参加しました。また、今年度は今井シニアURAが実行委員を務めて運営企画に携わり、プログラムの検討から事前会場の準備まで尽力しました。

1日目のオープニングにあたる関係省庁講演で、文部科学省から「平成27年度 大学等における産学連携等実施状況について」の講演があり、その中で民間企業との共同研究のデータが示されました。当機構は、1件当たりの研究費受入額で第30位、 企業からの受託研究でも1件当たりの研究費受入額で第26位と、いずれも大学共同利用機関法人で唯一30位以内にランクインしていました。 講演ではその他、産学連携というテーマに関連して、URAに対する企業と大学、大学間、研究者間といったインターフェースや橋渡し機能への期待が強調されていました。またポスター発表では、国立遺伝学研究所の来栖URAらが『大学への貢献を可視化:共同利用・共同研究の改善に向けた取り組み』を発表し、多方面の大学関係者と大学共同利用機関のミッションについて活発な意見交換を行いました。

2日目のスキルプログラム専門委員会の教育セッション「プレアワード」では、JSTのCREST領域運営アドバイザーでもある野水シニアURAが講師を務め、科研費改革やJST担当時代の裏話から現状まで含めた講演を行い、好評を博していました。また国立極地研究所の礒野URAは、『大学共同利用機関における研究力強化への取り組み 〜3年間の成果とURAの貢献〜』と題する口頭発表を行い、URAをはじめとする聴講者等が熱心に耳を傾けていました。なお全体プログラムを通じ、産学連携に関連してオープンイノベーション、契約などの新しいトピックが盛況であったことも印象的な大会となりました。

(本部機能強化チーム)

H29年度第1回URA合同ミーティング開催

H29年度第1回URA合同ミーティング

2017(平成29)年7月27日(木)、本年度第1回の情報・システム研究機構URA合同ミーティイングを開催しました。今回は、本年度竣工したデータサイエンス共同利用基盤施設(立川キャンパス)で初めての開催となり、1階の共同作業スペースを工夫して、28名が会しました。

本部および4研究所のURAに加え、研究所や施設でURA業務に関わる方々、URAステーション等の本部職員が出席したほか、情報・システム研究機構 津田敏隆理事(戦略企画本部長)、佐藤健教授(戦略企画本部副本部長)、藤山秋佐夫教授(データサイエンス共同利用基盤施設長・戦略企画本部副本部長)、馬場知哉特任准教授(同コーディネータ、写真)も参加しました。

今回は、まず7月1日付で着任された極地研の兒玉裕二シニアURAのご紹介からスタートしました。定例の議題である本部・各研究所の活動報告に加え、本年は研究大学強化促進事業の中間評価にあたることからこの報告も含めて、URAの活動について、さまざまな立場から活発に意見が出され、議論が交わされました。

これを受けて、藤山施設長、続いて津田理事から、限られた時間ながらも講演があり、議論を深めることができました。また馬場コーディネータからは、データサイエンス共同利用基盤施設をプロモーション活動について紹介があり、大学共同利用機関法人における研究連携および広報・コーディネーションの課題等も指摘されました。閉会後は懇親会が開かれ、いっそう親睦を深める機会となりました。

(本部機能強化チーム)

科学英語カリキュラム「遺伝研メソッド」の人文社会研究での活用

遺伝研メソッド

「遺伝研メソッド」は遺伝研の研究者が開発した研究プレゼンテーションの方法論です。科学的思考力を強化するとともにグローバルに活躍する研究者になるための発表能力が身につくプログラムとして総研大の科学英語教育に取り入れられ、自然科学系の4研究科、9専攻で「遺伝研メソッド」を活用した科学英語授業が実施されています。

これまでの授業実施経験から自然科学系の研究者には有益なプレゼンテーション法であることは認識されているものの、研究発表の文化が異なる人文社会系の研究者のニーヅに合うかどうかは明らかではありませんでした。今回、筑波大学の招きに応じ、メソッド開発者である平田たつみ教授(脳機能研究部門)と広海健リサーチ・アドミニストレーター室長が「人文社会系研究発信週間」に参加しました。平田によるメソッドのコンセプトの説明、広海による講習会、さらには筑波大学の教員とのパネルディスカッションなどを通じて「人社系研究と遺伝研メソッドをどう接合させるか」を議論しました。その結果、このメソッドは人文社会研究にも活用可能であるという共通認識が得られました。今後は人文社会系研究者とも協力して、「人文社会版」の教材開発など、「遺伝研メソッド」の応用形態を探っていきます。

異なる学問的背景を持つ研究者間のコミュニケーションは、新たな研究パラダイムの構築や新分野の開拓の基本です。「遺伝研メソッド」のコンセプトの普及や「人文社会版」の開発・活用は、自然科学と人文社会科学の対話を深め、新たな共同研究や融合研究にもつながると期待しています。

(遺伝研リサーチ・アドミニストレーター室)

写真・ポスター提供:筑波大学URA研究戦略推進室

遺伝研メソッド

「遺伝研発の実験技術」で共同研究の種をリスト化

遺伝研ウェブサイトに「遺伝研発の実験技術」コンテンツを立ち上げました。

大学共同利用機関である遺伝研にとって、共同研究により各大学の研究に貢献することは重要な使命のひとつです。

遺伝研には多彩な研究室があり、様々なテーマのもとに研究成果をあげています。各研究室の研究成果は、遺伝研ウェブサイトの「Research Highlights」というコンテンツに記事として掲載されています。「Research Highlights」の記事の中には、「汎用性のある実験技術」の記事が含まれていました。

「Research Highlights」中の記事を見直すことにより、汎用性のある実験技術に関する記事を洗い出し、実験技術について情報発信するために新たに作成したコンテンツ、「遺伝研発の実験技術」内にリスト化しました。また、記事になっていないいくつかの実験技術については、新たに記事を作成してリストに追加しました。

この情報発信により、共同研究の輪が広がることを期待しています。

遺伝研発の実験技術

(文、清野 浩明)

遺伝研プレスリリース倍増計画

遺伝研では2016年度から、記者目線の情報発信、研究者の負担軽減をモットーにプレスリリースの方法の改革に取り組みました。

2015年度まではサイエンスライターに外注してプレスリリース資料とインタビュー記事を並行して作成していました。しかしながら、その方法には、「研究者が時間を割いてインタビューを受ける必要があり研究者の負担感がある」、「資料作成に時間を費やし実施件数が限られる」、また、「プレスリリース資料にしては冗長なのではないか」など、検討すべき課題がありました。

2016年度から広報チームの体制が大きく変わることを受け、前述の課題の解決に取り組みました。まず、資料を広報チームと研究者だけで作成するようにしました。広報チームにて作成したフォーマットをもとに、研究者に文章と図を作成してもらい、この文章と図をたたき台にして広報チームにてリライティングする方法に変更しました。

私たちのリライティングで特に力を入れているが「概要」です。概要は、記者に数多ある資料の中から目を留めてもらい、記事にしてもらうための重要なセクションです。私たちのポリシーでは、概要そのままでも新聞記事の前文に使える程度にわかりやすく、短い文章にするよう努めています。

その他の特徴的な改善点は、研究者との連絡を広報チームの元研究者がおこなうことになったことです。元研究者が担当になったことで、研究者が重視したいと考えていること、負担に思うことなどが理解できるようになり、意思疎通がスムーズなったと感じています。これらの取り組みよって、研究者のモティベーションの向上や負担感の軽減につながっていれば嬉しく思います。

2016年度はこれらの取り組みが功を奏してか、研究者のプレスリリースに対する意識が高まり、前年度比3倍のプレスリリースを実施することができました(2015年度6件、2016年度18件)。本年度も順調に実施回数を重ねています。

(文、清野 浩明)

URA組織間連携による研究力強化

遺伝研メソッド

「謹啓 師走の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。」で始まる丁寧なメールを受け取ったのは、昨年12月に入った頃。差出人は「熊本大学のURA推進室 陳 晨」と書かれてあった。

熊本大学は、情報・システム研究機構(ROIS)と同時に研究大学強化促進事業に採択された研究大学である。熊本大学ではこの事業で、生命科学系、自然科学系、人文社会科学系の3分野で国際共同研究拠点を組織して先端的な研究を推進するとともに、URA推進室を設置して研究力の強化を図っている。このURA推進室が「遺伝研メソッドで学ぶ科学英語プレゼンテーション」に着目し、科学プレゼンテーション能力向上セミナーの依頼をしてきたのであった。

「研究力の強化には研究発信力の強化が重要である」という認識は多くの研究者や組織運営者で共有されているから、「遺伝研メソッド」の教科書出版以来、大学等からの講演依頼は多くある。しかし、本を最初から最後まで読んだ上で、講義を希望する項目を提案してくるのは希である。講演依頼を受ける方としても、研究者が希望する内容や組織のニーヅを把握した依頼はありがたい。相談の結果、3月に黒髪キャンパスを訪問することになった。会場の附属図書館ラーニングコモンズには大勢の聴衆が集まった。URA推進室が考案してくださった大変魅力的なセミナータイトル「心をつかむ!研究者のための科学プレゼンテーションの極意」のおかげだろう。第1部の講演会では「聴衆の期待感を作り上げるテクニック」、「伝えたいことを効率よく伝えるためのプレゼンテーションの構造」など、「遺伝研メソッド」からいくつかの要素を紹介した。

第2部の「意見交換会」では研究者やURA推進室の人たちと「科学プレゼンテーションにおける悩みとその解決方法」についてディスカッションした。私は「遺伝研メソッド」の活用形態としては、英語講師による「科学英語」としての授業(詳細はこちら)の他にも「英語」という観点を含めないプレゼンテーションの授業や学会発表等の予行演習を支援する「道場スタイル」(詳細はこちら)など、いろいろな形態があることを紹介した。

「遺伝研メソッド」のコンセプトには多くの人が共感したのだろう。その場で「第2弾」を実施することが決定した。「第2弾」では、メソッド開発者の平田たつみ教授や遺伝研英語講師のタジ・ゴルマンも参加して英語表現についても取り上げるほか、「質問の仕方」のセッションや、数名の研究発表に対して参加者全員でコメントや助言を行う「マスタークラス」セッションを含めることも決まった。医学系・生命系研究者を主たる対象にするために会場を本荘キャンパスにして、同時通訳を付けて留学生にも対応することになった。

このような意見交換を通じてURA組織間の連携の有効性が明らかになった。研究大学強化促進事業で各大学は組織の成績を上げるべくしのぎを削っているが、研究がコミュニティー全体での活動であるのと同様、研究力強化も研究コミュニティーの共同活動である。遺伝研やROISの研究大学強化促進事業も「遺伝研/ROISの研究力」(だけ)ではなく、大学共同利用機関として大学等のコミュニティー全体の研究力強化に資する活動になるよう留意している。熊本大学とROISのあいだにはすでに、ROISのURAが「大型科研費獲得セミナー」の講師を勤めるといった協力関係がある。また、熊本大学のURA推進室はROISが開発したresearchmapベースの研究業績分析ツールの活用にも積極的に取り組んでおり、 これはresearchmapを基本としたIRのモデルケースになる可能性もある。今後はURA組織間の連携によって、コミュニティー全体の研究発信力強化、さらには研究コーディネーションや共同利用促進にも取り組んでいく。

写真・ポスター提供:熊本大学URA推進室

(遺伝研リサーチ・アドミニストレーター室長 広海健)

遺伝研メソッド