効果的な広報・コミュニケーション活動
2014年7月のリサーチコモンズWebSiteから

今月のResearch View、まず注目してほしいのは、パンダねずみこと「ファンシーマウス」(画像右)。遺伝研では、このように珍しい柄を持つものを含めたマウスが、飼育のほか冷凍保存によっても、系統維持されています。
今回の成果は、このようなマウスの系統を使い、「生殖隔離」という生物学の王道とも言える難題に挑む、岡特任研究員の成果です。
■Research View 009
どんなしくみで「種」が分かれるのだろう。
[遺伝機能システム] 岡彩子(新領域研究センター・特任研究員)
■researchmapつながるコンテンツでは……
日本版MOOCsが立ち上がった一方、代表的なMOOCsのひとつ「couresera」では東京大学のコースが立ち上がりました*。……このようなオンライン教育の現状を踏まえ、特に高等教育への示唆を中心に土屋先生にお話をうかがいました。
つながるコンテンツ | 可能性を照らす道 4
「MOOCsが高等教育に示唆するもの。」
大学評価・学位授与機構 土屋俊 教授
*以前、researchmapつながるコンテンツにご登場いただいた五十嵐先生のコースもオープン。併せてご覧ください。(2014/08/08)
(池谷瑠絵)
オープンハウス&連携イベント2014
平成26年6月12日に、統計数理研究所に於いて、横幹技術協議会、横幹連合、統計数理研究所の3機関主催による「第42回横幹技術フォーラム文部科学省委託事業合同報告会-数学と産業の協働、データサイエンティストの育成-」が開催され、来場者は、118名あった。
当日は、統数研伊藤聡教授による「数学協働プログラム」に係る成果報告、広島大学西森拓氏による「アリにおける意思決定と失敗戦略」と題した講演、丸山宏副所長による「データサイエンティスト育成ネットワークの形成」に係る成果報告が行われた。
続いて、後半は大阪ガス(株)河本薫氏による「普通の企業におけるデータ分析人材のやりがいと苦悩」と題した講演、楽天(株)平手勇宇氏による「ビッグデータによるサービスの改善」と題した講演、河本、平手、丸山3氏による 談「データサイエンティストの未来」が行われた。最後に、出口光一郎横幹連合会長による閉会挨拶があり終了した。今年度は、オープンハウスの連携イベントとして合同報告会が行われたものである。
続いて2日目は、メイン行事である統計数理研究所のオープンハウスが行われた。産総研後藤真孝氏による「音楽情報処理が切り拓く未来」と題した講演、統数研持橋大地准教授による「音楽と言語へのベイズ統計的アプローチ」と題した講演、が行われた。そのほか、ポスター展示による研究紹介、統計よろず相談、総研大複合科学研究科統計科学専攻大学院説明会がそれぞれの会場に分かれて行われた。来場者は、172名であった。
統数研URAの役割:開催準備全般・運営支援、講演動画配信、広報活動
(運営企画本部広報室)


スパコン愛称の決定
統数研では平成26年度、タイプの異なる3つのスーパーコンピュータを順次導入しています。4月から共有クラウド計算システムと世界最大規模の共有メモリ領域を持つデータ同化スパコンが稼働中です。7月からは分散メモリ型の統計科学スーパーコンピュータの稼働を開始します。
このように最新のスパコン群が整備されていくなかで、統数研ではこの強力な計算資源を基礎研究、共同利用研究の柱と捉え、様々な支援策を実施していくことになっています。その一環として、より一般の方に親しんでもらおうということからスパコンの愛称を広く募集しました。
統数研HPのスパコン愛称募集サイトにて平成25年12月25日(水)〜平成26年1月20日(月)の期間で募集したところ予想を超えるたくさんの応募が集まりました。この応募のなかから所長、及び、スーパーコンピュータシステム仕様策定委員会(以下委員会)による厳正なる審査の結果、下記のように愛称を決定しました。
データ同化スーパーコンピュータシステム
愛称:「A」
理由:Assimilation(同化)、Advanced(高等の, 上級の)から
統計科学スーパーコンピュータシステム
愛称:「I」
理由:Intelligence(知能)、Investigate(研究する)から
共用クラウド計算システム
愛称:「C」
理由:Cloud(クラウド、雲海)、Community(共同社会)から
選定理由として──
- 各システムの特徴を1文字で端的に表現している。
- ・ロゴマークのデザイン化が容易。
- 3つそろうと統数研元所長、故 赤池弘次先生の業績、AICとなり、今後3つのスパコンが互いの特徴を活かしつつ、三位一体となって活躍するイメージにつながり、統計数理研究所ならではの愛称としてふさわしい。
今後、統数研ではこの愛称をもとに様々な広報活動を実施していきます。また大学共同利用機関法人として、統計科学分野の研究者にとって、より使いやすいスパコンを目指して技術的支援策をURAステーションが担当していきます。
統数研URAの役割:愛称公募係(愛称募集告知、公募事務など)を担当
(統計数理研究所URA)
2014年6月のリサーチコモンズWebSiteから

地球を解明する……というと、とてつもなく大きなテーマですが、少しずつ少しずつパズルのピースがはまっていくように、人類が知ることができる部分が拡大しています。
統数研の才田聡子特任研究員が、データ同化を使って取り組むのは、極地の上空に現れる「オーロラ」。人類をはじめ生物にとって危険な太陽風の「予報」にもつながる可能性を持った研究です。
■Research View
オーロラはどこに降る?
[データ同化・シミュレーション支援技術] 才田聡子 (統数研・特任研究員)
■researchmapつながるコンテンツでは……
つながるコンテンツ | 可能性を照らす道 3
「地球の内部はどう活動しているか。」
海洋研究開発機構 宮腰剛広 主任研究員
(池谷瑠絵)
オープンハウス(研究所一般公開)を開催

国立情報学研究所(所長 喜連川 優、以下NII)は、5月30日・31日の2日間、オープンハウス(研究所一般公開)を開催しました。(後援:東京都千代田区)
初日は、喜連川所長の開会挨拶の後、基調講演としてMark Korver氏(Solutions Architect at Amazon Web Services)による「Education on AWS: 教育×クラウドの潮流」、佐藤 一郎教授(NII)による「ビッグデータとパーソナルデータ」が行われました。
同日開催された企業マッチメイキング「NII SEEDs-イノベーション共創」では、「メディア・センシング」「人間社会とビッグデータ」の2つテーマを設け、企業関係者が参加しました。NIIの研究活動の紹介を行ったのちブースで個別の議論を行い、研究内容の理解や企業のニーズを深める機会となりました。また、URAによる共同研究よろず相談所を開設し、企業とのコラボレーションの機会創出を目指しました。
2日目は、基調講演として大隅 典子教授(東北大学)による「夢を描こう!:顔面発生から超音波発声までの研究人生」、山岸 順一准教授(NII)による「自分の声でコミュニケーション!〜音声合成技術最前線」が行われました。この日は、高校生や一般を対象としたミニレクチャーやワークショップが開かれ、東京都立戸山高等学校の生徒約70名もワークショップに参加し、情報学研究の一端に触れていただきました。
両日とも研究成果について約100のブースでポスター展示やデモ、プレゼンテーション、大学院説明会などが開かれ、参加者からは「若い人も参加していたので活気があり頼もしかった」「研究者と直接意見交換ができる機会でよかった」といった感想が寄せられました。
当日の講演映像、研究成果発表のポスターは、一部を除き、後日、NIIのホームページで公開します。
※上掲の写真は、企業マッチメイキングの様子
(岡本 裕子)
学術情報基盤オープンフォーラムを開催

国立情報学研究所(所長 喜連川 優、以下NII)は、5月29日の学術情報基盤オープンフォーラム「共に考え、共に創る明日の学術情報基盤へ」を開催しました。SINET5の全体構想を含む今後の学術情報基盤について各セッションで発表を行いました。
イントロダクションでは、安達 淳副所長が「SINET5が拓く研究教育環境〜22カ月後に迫ったSINET5最新情報〜」を発表した後、金子 敏明 高エネルギー加速器研究機構 計算科学センター長、竹内 比呂也 千葉大学 附属図書館長 アカデミック・リンク・センター長が、それぞれの分野からみた学術情報基盤への期待をお話いただきました。
パラレルセッションでは、SINET5のクラウドサービスや認証、セキュリティをテーマにしたセッションや、学術情報流通、オープンアクセス、機関リポジトリをテーマにしたセッションが行われました。
最後を締めくくるパネルディスカッションでは、フロアを含む参加者と活発な議論が繰り広げられ、今後の研究力強化の礎ともなる学術情報基盤のあり方をオープンに議論する場となりました。
当日の講演資料は、一部を除き、後日、NIIのホームページで公開予定です。
※上掲の写真は、イントロダクション「SINET5が拓く研究教育環境〜22カ月後に迫ったSINET5最新情報〜」より
(岡本 裕子)
2014年5月のリサーチコモンズWebSiteから
2014年5月のResearch Viewは、[データ同化・シミュレーション支援技術] プロジェクトから2記事をお届けしました。
現代社会が抱えるさまざまな問題の解決に役立つ「データ同化」という統計手法。この手法には、ビッグデータを使いこなすどんな特徴があるのか、そして実際にどんな現象解明に役立つのか──2つの側面から、プロジェクトで今進められている研究をご紹介します。
■researchmapつながるコンテンツでは……
また、researchmapのカバーインタビューでは、現代哲学、なかでもウィトゲンシュタインのご研究に関連して、古田徹也先生(新潟大学)にお話をお伺いしました。
つながるコンテンツ | 可能性を照らす道 2
「哲学は鼓舞する。」
新潟大学 古田徹也 准教授
(池谷瑠絵)

[データ同化・シミュレーション支援技術] 中野純司(統数研・教授)

[データ同化・シミュレーション支援技術] 齋藤正也(統数研・特任助教)
次世代リーディングシンポジウム
2014年1月27日(月)午後、一橋講堂にて、東京大学・名古屋大学・お茶の水女子大学と統計数理研究所が主催して『次世代リーディングシンポジウム』を開催した。
グローバルに活躍できるリーダー養成を目指す「博士課程教育リーディングプログラム」、情報科学・統計数理の分野で人材育成を進める統計数理研究所、相互に深く関連するセクターが次世代を担うイノベーティブ・リーダー育成への貢献を目的に開催したもので、大学、官公庁、企業等から幅広く150名を超える参加者が熱心に耳を傾けた。
最初に主催者を代表して統計数理研究所所長・樋口知之が開会挨拶を行い、文部科学省高等教育局大学振興課大学改革推進室長・猪股志野氏から来賓挨拶をいただいた。次に三菱電機人事部人材開発センター・亀山正俊氏の基調講演「企業が求めるグローバル・イノベーション・リーダー」により技術系リーダー像が明確にされた。それを受けて東京大学・竹村彰通教授、名古屋大学・武田一哉教授、お茶の水女子大学・古川はづき教授、吉田裕亮教授の各講演が続いた。途中、講演内容の理解を深めるポスターセッションを挟み、統計数理研究所・丸山宏教授、伊藤聡教授が講演を行った。最後の東京大学・坂井修一教授の閉会挨拶まで、会場は終始熱気に包まれていた。
グローバル化やイノベーションに対するアカデミアの関心の高さとリーダー育成の重要性に改めて気付かされたシンポジウムだった。
統数研URAの役割:開催準備・運営全般、共催機関との調整、広報活動
(統計数理研究所URA)


リサーチコモンズの研究成果を、ウェブで紹介します。

リサーチコモンズの研究成果をいっそうわかりやすく発信するウェブページを公開いたしました。
■このウェブサイトの特徴は──
- 本事業の目的や歩み、各研究プロジェクト/データベースの概要を紹介
- 毎月連載の「Research View」で、最新の研究成果をわかりやすく記事化
- 各研究間やプロジェクトとのつながりがわかる「リンク」を、記事中に設置
- 新しく加わったプロジェクトのホームページとしても活用していきます
- リサーチコモンズに関わるイベント・公募などの情報を随時掲載
■2014年4月のResearch Viewは全5本です
科学として「想定外」にどう対応するか?
[システムズレジリエンス]丸山宏(統数研副所長・教授)
ゲノムが語る、野性イネはどこから来たか。
[遺伝機能システム] 倉田のり(遺伝研・教授)
国際標準化されたデータが、生命を語り始める。
[ライフサイエンスデータ(DBCLS)] 小原雄治 (遺伝研・特任教授)
南極に積もる雪から、太古の生命と環境を削り出す。
[地球・環境システム] 本山秀明 (極地研・教授)
イノベーションに役立つデータ中心”政策”科学を。
[社会コミュニケーション] 曽根原登(情報研・教授)
(池谷瑠絵)
国立情報学研究所 NII SEEDs集刊行

「NIIにはどのような研究に強みを持つ研究者が在籍するのか知りたい」というご質問を、企業の方々からいただきます。このような声にお応えして、このたび、30名の研究者の協力の下、研究概要を分かりやすくご紹介する研究シーズ集『NII SEEDS - 時代を躍進するNII研究者による研究シーズ集』を、2014年1月に刊行しました。
『NII SEEDS』はNIIのホームページからダウンロードいただけます。(岡本 裕子)