Monthly Archives: 8月 2015
今年も大好評! 平成27年度若手研究者クロストーク

昨年度よりテーマや運営内容を大幅刷新した「若手研究者クロストーク」を、去る8月24日〜25日、八ヶ岳ロイヤルホテルで開催いたしました。
昨年度の総研大との共催に加え、今年はさらに他機構からの参加も得ることができ、総研大学生9名、高エネ機構2名、人間・文化研究機構3名を含む49名の研究者が集う、広範囲な分野の「若手研究者の交流」イベントとなりました。
今回のテーマは、データ中心科学および融合研究等に焦点をあてて「データを取る人、使う人 〜融合研究・共同研究の未来を語る〜」としました。新たなメニューとして当機構内4研究所からのミニ講演とパネル討論、昨年好評だった“ワールドカフェ形式”による全員のグループ議論などにより、活発な意見交換と全体の意識共有を行なうことができました。
また、全員のポスター発表により相互の研究内容を深く理解し合う機会を設けたところ、名刺交換をするなど今後の融合研究が期待されるような場面も見受けられました。
さらにテーマ別分科会では、昨年度同様に科研費等外部資金獲得、キャリアアップ、ワーク・ライフ・バランス、論文の書き方・プレゼンなどの身近な問題を話し合い、役立つ情報を持ち帰ることができました。分科会の新たなテーマである、融合研究・共同研究のシーズ探索について考えるグループでは、時間が足りなくなるほど白熱した議論がなされました。
参加者からは「初めてのワールドカフェは、新鮮かつ有意義だった」「日頃接する機会のない他分野研究者と知り合いになれた」などの感想が寄せられました。URAは、これからもこのような研究力強化に役立つ催しを通じて、将来のリーダーを育てる風土醸成に尽力してまいります。
(野水昭彦、コモンズURAチーム)



開催案内:researchmapシンポジウム2015「自らの強み・特色を知るために 〜これからの大学のIRとは?〜」
我が国の大学等では、研究マネジメント人材であるURA(リサーチ・アドミニストレーター)の育成が進められています。また一方、大学IR(Institutional Research)が、今後さらに重要性が高まると思われます。
これらの全体像と今後のあり方について、研究IRの今後の方向性や各大学に配置されたURA活動について考えます。また、JSTが保有する情報資産を活用した新たな情報分析基盤、およびresearchmapを活用した融合研究促進・産学連携などのコーディネーション、研究力分析機能等の有効性などを紹介いたします。
日時:2015年9月16日(水)
午後1時30分〜午後5時40分(受付開始 午後1時〜)
場所:一橋大学一橋講堂
東京都千代田区一ツ橋2ー1ー2 学術総合センタービル
主催:科学技術振興機構、情報・システム研究機構
後援:大学IRコンソーシアム
http://www.hit-u.ac.jp/hall/file/menu-016/file_01.pdf
プログラムなど詳しくは以下のウェブページをご覧ください。
http://researchmap.jp/public/symposium2015/
(野水昭彦)
統計数理研究所とSAS Institute Japanの協働に関する記者発表会の開催

2015年8月6日(木)、情報・システム研究機構URAステーション(城山トラストタワー33階)にて
統計数理研究所とSAS Institute Japan株式会社の協働に関する記者発表会を開催いたしました。
北村シニアURAの司会のもと、樋口所長(写真左)の挨拶に始まり、統計思考院、ビッグデータイノベーションラボ(BIL)の紹介が行われました。
続けて統数研 中野純司教授(写真中央)とSAS Institute Japan阿部氏(写真右)より、BILを立ち上げることで、ビッグデータを活用する実践的研究の場を企業や公共団体へ提供し、一体となって課題解決へ取り組んでゆくという詳細な説明が行われました。
記者の皆さんでほぼ満席の会場からは次々と質問が出され、時間いっぱいまで皆さん熱心に耳を傾けたりメモを取っていらっしゃいました。17時の発表会終了後も質問のために残る記者の方は多く、活況な記者発表会となりました。
ROIS URAステーションは都心の神谷町にあり、都心から離れた立川にある統数研が記者発表などを実施するには非常に有効な施設でもあります。
統計数理研究所 | 2015年8月6日 プレスリリース
統計数理研究所とSAS Institute Japanが共同でビッグデータ分析の研究基盤、ビッグデータ イノベーション ラボ(BIL)を設立
URL:http://www.ism.ac.jp/ura/press/ISM2015-01.html
(広報室 今門牧子)
NII 産官学連携塾(第3回)を開催しました

7月22日(水)に第三回NII産官学連携塾を開催しました。
NII産官学連携塾は、情報学における最先端の研究動向を取り上げ、NIIの研究者と企業・自治体等の方々が出会い、意見交換できる場を目指す産業界向けの公開講座です。第三回は「ビッグデータを始める前におさえておくこと」をテーマに、講義とグループワークショップの二部構成で行われました。
前半はデータマイニングやアルゴリズム研究が専門の宇野毅明教授(NII情報プリンシプル研究系)が、研究者の観点からビッグデータの現状とこれを扱う上のポイントを解説しました。(写真)
現在のビジネスでは「ビッグデータを語るとき目的ではなくインフラの面ばかり論じられる」と指摘。ビッグデータの特徴として一つひとつの情報からは意味が分かり難い点を挙げ、インフラが発達して膨大な情報を入手しても何に利用してよいのか分からないパターンが多いと言います。この問題に対する解決策として有効なことの一つは「現場力による目的=価値の創造」であり、「現場の人」の感覚を活かすこと。データ解析技術を持つ者と現場担当者との共同作業がこれからのビジネスチャンスを見出すためにはきわめて重要であると述べました。
もう一つの価値とデータを結びつける重要なカギは、データを「粒度は荒くても意味の強いデータに変換する」こと。機械学習(ディープラーニング)による網羅的な手法では「分析結果の意味や理由を人間は理解できない場合が多い」とし、機械学習による100%精度の分析よりもデータ抽象化アルゴリズムを用いた60%くらいの精度の分析で強いデータを作り出せる方が効果的であると述べました。「データを収集した段階のストレートな価値ではなく、別の価値へつなげる事例が期待されている」と宇野教授。一例として大量の航空写真から農作物の品質評価を導き出した案件も紹介しました。
ビッグデータは歴史が浅いことから利活用に有効な手段が確立していない、これを克服するためには実際にデータを扱う者同士の意見交換が有効であるとして、後半は参加者を二つのグループに分け、各自が実業務において抱えるビッグデータの状況・課題を共有し協議する時間を設けました。このグループワークショップには若手研究者の坂本一憲助教と秋葉拓哉助教も加わり、専門的意見を発して討議を盛り上げました。
データの扱いに難航した際、大学やNIIなどの研究機関で知識を持つ研究者に相談するのも近道だという宇野教授。研究者と円滑に話を進める秘訣(!)も紹介し、今回の産官学連携塾のような交流の場を活かして、恐れずビッグデータに向かってほしいと述べました。
次回の産官学連携塾は10月13日(火)に、プライバシー侵害への対策を研究する越前功教授(コンテンツ科学研究系)によるプログラムで開催の予定です。
参加方法および詳細は後日NII公式ウェブサイトに公開予定です。
国立情報学研究所ウェブサイト | NII産官学連携塾
http://www.nii.ac.jp/research/iga/juku/
関連記事:
URAウェブサイト | 2015.04.17
NII 産官学連携塾(第1回)を開催しました
(NII研究戦略室)