男女共同参画への意識

情報・システム研究機構が女性研究者活動支援事業に採択されたことを受けて、平成26年11月26日に一橋講堂でおこなわれた女性研究者研究活動支援事業シンポジウムと翌月4-5日に国立女性教育会館でおこなわれた男女共同参画推進セミナーに参加しました。

シンポジウムの前半は日本IBM株式会社会長の基調講演と鹿児島大学学長の特別講演で、男女共同参画やダイバーシティに対する考え方や対応について具体的な事例を交えて紹介されました。後半は分科会発表がおこなわれ、すでに事業に採択されている機関から各々の取り組みが紹介されました。成功したものやユニークな事例が紹介される一方で、男女共同参画に対する理解を促すための取り組みはこれからも必要だという意見が複数あり、男女共同参画の意識を浸透させるのには大変な苦労があることを実感しました。

2日間にわたるセミナーでは、初日に基調講演と講義、2日目に分科会がありました。初日の講演と講義では男女共同参画に対する考え方に関する話題が大変参考になりました。分科会では「男女共同参画推進のための基盤づくり」に参加し、グループディスカッションで各機関の課題などについて話し合いました。同じグループの方々からは、大学内での男女共同参画への理解や協力を得ることが難しい、他の部署との連携や役割分担が難しいなどといったことが大枠の課題として挙げられていました。これらはURAシンポジウムで挙がっていた課題に似た部分も多く、新しい部署の運営に伴う苦労を共有する形になったのが印象的でした。 男女共同参画を推進し女性の研究者や学生がきちんと活躍できる場を整備することは、男女ともに優秀な研究者がストレスなく研究を続けられる場の整備にほかならず、ひいては研究力の強化にもつながるのではないかと感じました。女性研究者活動支援事業と研究大学強化促進事業の両方に関わるURAとして、これからも知識と理解を深めていきたいと思っています。

(礒野靖子)

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男女共同参画推進セミナー(全体会)の様子
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男女共同参画推進セミナー(分科会)の様子

科研費研究計画調書の査読

平成26年度初めより取り組みを進めてきた科研費支援がいよいよ佳境を迎えました。平成27年度科研費研究計画調書の査読です。極地研ではこれまで名誉教授と副所長が中心となって調書の査読を行ってきましたが、今年度からはURAも加わり、1件の調書に対して名誉教授 or 副所長+URAの2名体制で調書の査読を進めました。

科研費のみならず申請書というものは「こう書けば採択される!」という確固たるものがないのが難しいところです。しかし、専門外の審査員にも伝わる調書であること、評定基準に沿った内容がきちんと記載された調書であることは重要な条件です。このあたりには十分注意をしながらURAは専門から少し離れた立場で調書の査読を行いました。

また、査読は10月中旬から下旬にかけて一気に進めなければなりませんし、査読を踏まえて教員がさらに改訂をするため、受け取った調書はすぐに査読して返却する必要があります。限られた時間で的確なコメントを付すのはとても大変でしたが、よりよい調書作成の一助となっていれば幸いです。

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今年度の科研費申請数は、目標としていた50件を凌駕する60件にものぼり、昨年度と比べて43%の増加となりました。申請数の増加は必ずしも採択数の増加を意味するわけではありませんが、まずは申請数を増やすことがその第一歩になると捉えています。来春の結果を待ち、また新たな取り組みを進めていきたいと考えています。

(礒野靖子)

NII産官学連携交流会を開催

11月28日(金)、 2014年度秋季「NII産官学連携交流会ー新たな研究開発価値の共創に向けてー」を開催しました。NIIでは、情報学分野の研究と情報基盤事業に取り組んでおり、社会が抱える課題を解決する実践的な研究開発の推進を目指しています。そのためには産官学の連携の一層の強化が必要であり、企業・自治体等の方をお招きし、NIIの最新の取り組みの一端をご紹介しました。

喜連川所長からの基調講演「コラボレーション2.0」でNIIの産官学連携の取り組みを紹介した後、「先端アーキテクチャ・デザイン技術」「基礎理論・数理 ビッグデータ分析」「実空間データセンシング技術」「知識構造化技術」の4つのテーマでセッションを行いました。各テーマではNIIの教員が自身の研究シーズを発表し、合わせて16件の発表が行われました。

セッション後には、デモ・ポスターセッションとして、講演者のデモやポスター発表を行い、参加された企業の方々との交流を図りました。また、「じっくりと話を聞きたい」というご要望にお答えするため、個別Q&Aの時間を設け、研究への理解を深めていただきました。

NIIでは、先端技術・シーズ発見、ソリューション探索、スキル獲得・人材育成など企業・自治体等の幅広いご期待に添えるよう、今後も、産官学連携活動の継続的な推進に取り組んでいきます。

(NII研究戦略室)

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喜連川所長からの基調講演「コラボレーション2.0」
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デモ・ポスターセッションでの交流の様子

論文数20%増に向けて

論文出版状況調査を開始し最新の状況把握の体制を整える一方で、過去5年間(2008-2012年)の論文出版状況を基に20%増の具体的な目標数を設定しました。極地研では、530本が2013年から2017年の5年間における累計目標数(一年あたり106本)となります。さらに、所内の研究体制が5つの基盤研究グループで構成されている特徴を生かし、各グループの過去の論文数を鑑みてそれぞれ個別の目標数を設定しました。

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研究戦略企画室では、これらの目標数と論文出版状況調査で教員から集まった情報を併せてとりまとめ、基盤研究グループ別の論文数や目標数に対する達成度などをグラフ化して最新の情報を所内の研究者に提供しています。論文を書くことは研究者の仕事であるため研究戦略企画室の取り組みが成果に直結するわけではありませんが、まずは論文の出版状況を可視化するところから始め、所内の研究者が現状をきちんと把握できるようになればと考えています。

(礒野靖子)

2014年12月のリサーチコモンズWebSiteから

リサーチコモンズWebSite | rv014

「リサーチコモンズwebsite」では、プロジェクト/データベースをご紹介する記事「Research View」を毎月10日に公開しています。

2014年12月のResearch Viewは、先月仙台・松島で開催された「バイオハッカソン(BioHackathon)2014」を取材し、オーガナイザーの片山俊明特任助教(DBCLS)、山口敦子特任准教授(DBCLS)にお話を聞きました。

この研究・開発活動コミュニティについては、以前も取材いたしましたが、ライフサイエンス、バイオ、医療等の関連研究分野の進展に貢献したいという情熱を、特に現場では、とても強く感じます。今回も、今後のデータベース統合化へ向けて、まさに熱い議論がそこここで繰り広げられるといった展開でした。ぜひリサーチコモンズWebSiteで、記事と写真をご覧ください。

■Research View 014
バイオハッカソ2014、データ統合への道のり。
[ライフサイエンスデータ(DBCLS)]片山俊明特任助教(DBCLS)、山口敦子特任准教授

■researchmapつながるコンテンツでは……
「年越し派遣村」”村長”をはじめ、社会運動家として知られる湯浅誠氏を、法政大学多摩キャンパス(東京都町田市)に訪ね、お話をうかがいました。湯浅氏は2014年度から、法政大学現代福祉学部で教鞭をとられています。「まだ半年のつきあい」とは言うものの、学生たちの間では「一風変わった先生の一風変わった授業」と、すでに話題を集めている様子。「人気の授業」はどんな授業なのか?──。……続きは、ぜひresearchmap上でご覧ください。

つながるコンテンツ | 可能性を照らす道 9
「社会と向き合うためのプラクティス。」
湯浅誠 法政大学 教授

(池谷瑠絵) 


論文出版状況調査をはじめました

研究大学強化促進事業の申請にあたり、情報・システム研究機構はいくつかの目標を掲げました。そのうちの一つに「累計論文数20%増(平成24年までの5年間比)」という数値目標があります。研究戦略企画室では、この数値目標に対し、「どのような基準で論文を集計するか」、「基準となる過去5年間(平成20-24年)に何本の論文が出版されているか」といった調査を春から独自に進めてきました。

論文の集計方法については教員から意見を聞き、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)がおこなっている調査方法と同様の集計方法と、極地研独自の集計方法の二つを用いることに決まりました。NISTEPと同様の集計方法では、トムソン・ロイター社のWeb of Science(wos)を用いるのですが、論文が出版されてからwosに掲載されるまでには時間がかかるため、wosだけでは所内の最新の論文出版状況を正確に把握することができません。

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そこで、教員に向けて3か月に一度の頻度で論文出版状況調査を実施することを決め、所内の最新の論文出版状況を把握できる体制を整えました。調査はこれまでに2回実施しており(9月と11月)、次回は2015年2月の予定です。極地研に所属する研究者は自分の研究成果をリサーチマップに入力することになっているため、そのシステムも活用しながら、教員になるべく負担のかからないような方法で調査が実施できるように毎回工夫を重ねています。

(礒野靖子)