国立遺伝学研究所

「地球の歴史は地層に、生物の歴史は染色体にかかれている」、遺伝研の歴史はどこに?

遺伝研年報第一号

遺伝研の要覧(年報)は、1949年に第一号が発刊されています。

この度、現在までの全ての要覧(年報)がPDF化され、遺伝研HPで公開することができました。記事タイトルの一文「地球の歴史は地層に、生物の歴史は染色体にかかれている」は、木原均 第二代所長のお言葉です。

この機会に是非ご覧頂き、遺伝研の歴史と遺伝学の進化をお楽しみください。

遺伝研年報第一号
リンク:http://www.nig.ac.jp/nig/ja/about-nig/yoran

(国立遺伝学研究所 来栖)

太田朋子名誉教授のクラフォード賞受賞にともなう広報活動

国立遺伝学研究所太田朋子名誉教授のクラフォード賞受賞三島記者会見
遺伝研の太田朋子名誉教授が2015年のクラフォード賞を受賞しました。正直なところ当初、どれほど大きな賞なのか私には想像もつきませんでした。しかし調べれば調べるほど、太田博士の提唱した理論の影響は大きく、遺伝研から生み出された大きな成果に大きな賞が授与されたのだということがわかりました。

クラフォード賞はノーベル賞を補完する位置づけの賞とされています。具体的にはノーベル賞と同じくスウェーデン王立科学アカデミーから、ノーベル賞が対象としない基礎的な研究に対して授与されます。副賞の金額はノーベル賞の4分の3にあたる600万スウェーデンクローナで、国内では3人目、大阪大学の岸本忠三元総長と平野俊夫総長に続く受賞となりました。

この受賞は日本の栄誉としてできるだけ広くご報告すべきと考えましたが、第一の関門は、ストックホルムでの授賞関連行事の様子をレポートする手段でした。ノーベル賞授賞式には同行者がつくのが通例だそうですが、今回はつかないことになりました。こういう場合どうすればよいのか、多くの方に相談させていただきました。最終的に日本学術振興会(JSPS)ストックホルム研究連絡センターの皆様が授賞関連行事に出席してすばらしい写真をたくさんお送りくださいました。その一部は遺伝研ウェブサイトでもご覧いただけます(こちらから)。授賞式直前にも賞本部と密に連絡調整してくださったJSPSの皆様に、この場をお借りして改めて深く感謝申し上げます。

第二の関門は記者の方々への報告手段でした。帰国後に賞状とメダルを前にした報告の場を設けたい、しかし太田博士の身体的負荷を考えると東京でなく三島で開催したい、という趣旨で、現担当者では初の試みとなる遺伝研での記者会見をひらくことになりました。果たして記者の方は来られるのか、一同とても心配しましたが、当日は天候にも恵まれ、7社の方々、うち3社の方は東京からお越しいただきました。翌日以降、6紙の新聞紙面と13件のウェブサイトに記事をご掲載いただき、なんとか国内に広くご報告ができたかと一同安堵しました。

多くの方々のご協力により、経験の少ない類の広報活動も無事におこなうことができましたが、自分に足りない点に直面する機会でもありました。また、太田博士が当時「じっくりと考える時間があった」というお話にも考えさせられるものがありました。これからも遺伝研やROISから優れた研究成果が生産され続け、その内容が色々な意味で社会に広がっていく助けとなるように、これからも尽力してまいります。

(伊東真知子)

文科省「情報ひろば」にて企画展示を開催

情報・システム研究機構文部科学省情報ひろば企画展示2015

文部科学省「情報ひろば」(千代田区霞が関・旧文部省庁舎3階)で、4月1日(水)から、”「研究力強化」を支援し、研究をつなぐ、学術データ&ネットワーク”をテーマにした企画展示を開始しました。

本展示は、情報・システム研究機構および直轄センター(新領域融合研究センター、ライフサイエンス統合データベースセンター)に加え、機構4つの研究所(国立極地研究所、国立情報学研究所、統計数理研究所、国立遺伝学研究所)が共同で取り組んだもの。ビッグデータ時代を背景とした学術データベースの活用や解析ツールの開発、オープンサイエンスへ向けた学術ネットワークのインフラやその運用など、大学共同利用機関として取り組む学術データ&ネットワークの具体例を体験的に理解できる展示としました。

白を基調としたブースには、機構+4研究所のポスター展示や動画による解説に加え、タッチパネル操作で、日本地図上にネットワークの動画が映写されるプロジェクターを設置。また当機構が目指す「データ中心科学」を象徴した地球儀や、4研究所のジオラマ等のコラボレーション的な立体展示も行いました。「研究力強化」を支える共同利用・共同研究の取り組みを、ぜひご体験ください。

場所:文部科学省旧庁舎「情報ひろば」 3F 企画展示室
(東京都千代田区霞が関3-2-2 旧文部省庁舎)
交通:銀座線「虎ノ門」駅11 番出口直結、千代田線・丸ノ内線・日比谷線
「霞ヶ関」駅A13 番出口徒歩5分
※入場無料、開館は10時〜18時。入館は閉館の30分前まで。土日・祝日休館
※平成27年7月末まで展示予定

■情報ひろばへのアクセス
http://www.mext.go.jp/joho-hiroba/access/

■文部科学省 | 情報ひろば 企画展示室
http://www.mext.go.jp/joho-hiroba/sp/

■文部科学省 報道発表 | 文部科学省における大学・研究機関等との共同企画広報の実施〜文部科学省ミュージアム「情報ひろば」企画展示等【三重大学、東海大学、情報・システム研究機構】〜
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/27/03/1356142.htm

(池谷瑠絵)

留学生に届け!

遺伝研_世界に向けた情報発信2015

遺伝研で学ぶ大学院生のおよそ3割は留学生です。研究は国境や母語とは関係なく進められるものであり、世界中の研究者とのコミュニケーションが重要なので、さまざまな国から留学生が集う環境は、研究者の卵である大学院生にとって大切なものであり、ひいては研究力強化につながるものです。

遺伝研・総研大遺伝学専攻では、一人の学生の指導を複数の教員が担当する制度や、論理的で効果的なプレゼンテーションを英語でおこなうための講義を設けたほか、すべての講義に加えて事務連絡も英語でおこなうなど、国際的にみても競争力のある教育制度を整備してきました。特に海外からの学生に対しては、10週間の研究体験プログラムや複数の奨学金制度が設けられています。しかし世界に向けた情報発信は簡単ではなく、応募学生の出身国や大学をより広げることが課題でした。

そこで、遺伝研で受けられる教育についてより多くの国の学生さんに知ってもらうために、既存のウェブページに加えて新しいポスターとリーフレットを作成し、約30か国・120か所の大学等にお送りしました。1月下旬に締め切られた研究体験プログラムには、昨年の2倍近い応募がありました。現状分析と改善を進め、より多くの多様な学生さんに遺伝研という研究環境に目を向けていただけるよう目指します。

(伊東真知子@国立遺伝学研究所)

研究機器のデモンストレーション

遺伝研_顕微鏡デモンストレーション会

生物学では、実際に生き物を「観る」ことが重要な研究手法の一つとなっています。生物学者は「観る」ために「顕微鏡」を利用します。この顕微鏡の性能が日進月歩であることは、2014年のノーベル賞がごく近年の顕微鏡開発におくられたことから垣間見ることができます。

最先端の顕微鏡システムが遺伝研の研究にどのような発展を生み出すのかを皆様に実感してもらうために、2014年12月16〜19日、リサーチ・アドミニストレーター室では最新機器のデモンストレーションをメーカーの協力のもとに企画しました。顕微鏡には、従来の光学顕微鏡の解像限界を超えた「超解像顕微鏡」と、シート光を利用した「SPIM」を選び、「見えなかったものが見える」「多くの時間を費やしていた画像取得が瞬時に成せる」というメリットを体験して頂きました。

今後も、遺伝研リサーチ・アドミニストレーター室では、研究所の共通機器の利用をサポートするために、様々な活動を予定しています。

※「見せてもらおうか、新型顕微鏡の性能とやらを」──写真はデモンストレーションからのひとコマ。

(来栖 光彦@国立遺伝学研究所)

NINSコロキウムへ参加

遺伝研_NINSコロキウム2014
自然科学研究機構(NINS)をご存知ですか? NINSは、私達が所属する情報・システム研究機構(ROIS)と同じく大学共同利用機関法人です。

このNINSで12月1〜3日の期間、NINSコロキウムと呼ばれる合宿形式の研究会が開かれました。研究会には、NINSに所属するファカルティメンバーを中心に100名近くが集い、「自然科学の将来像」というテーマで真剣な議論がかわされました。議論の中心は、分野をまたぐ融合研究の進め方であり、「普遍性を求める物理学と、普遍性とともに多様性も重んじる生物学が連携を図るには」、「光源の作り手が目指すものと使い手が求めるもの」、「シミュレーションへの期待と限界」などが議論されました。ポスター発表では、国立天文台の十八番である補正光学を応用した生物顕微鏡の開発例が基生研との共同研究として披露されていました。

この研究会も第三回を迎え、融合研究を各論で議論するという意気込みが感じられる素晴らしい大会でした。これに関連して、融合研究の促進を目的とした「技術の見本市」なども有効であることから、NINSとの共同開催といった連携も進めていければと考えます。

※写真は、「NINSコロキウム」にて、大学共同利用機関法人自然科学研究機構長佐藤勝彦先生のごあいさつより

(来栖 光彦@国立遺伝学研究所)

科学プレゼンテーション講習会「プレ禅道場」

2014遺伝研_プレ禅道場
2014年11月18〜20日、遺伝学研究所にて科学プレゼンテーション講習会「プレ禅道場」を行いました。

本講習会は、遺伝研発の「研究者による研究者のための科学プレゼンテーションカリキュラム」のエッセンスを紹介するものです。

3日間のコースは、『プレゼンとは何のためにやるのか?』ではじまり、分かりやすいストーリーの組み立て方、理解度を上げる話し方、といったテーマの講義のほか、自分の発表に対して科学者集団(プレ禅道場師範)からコメント・感想を得て『自分という研究者』を振り返る機会になるような内容も含まれています。

初めての開催となった今回のコースの参加者には、ポスドク、教員などの研究者だけでなく、ライティングプログラムやURAの関係者も含まれており、「研究発信力強化」と「研究力強化」の両方の観点から注目していただけたようでした。

参加者の方には発表あり、宿題ありのハードな3日間だったかと思いますが、皆様の今後の活動に参考になれば嬉しいです。

(国立遺伝学研究所 小林百合)

JACST研究機関合同プレゼン会に参加しました。

2014秋季_JACST研究機関合同プレゼン会
2014年11月20日、海洋研究開発機構 東京事務所(内幸町)にて行われたJACST研究機関合同プレゼン会に4研究所+機構が参加しました。

遺伝研は、伊東(URA室)による最新の研究成果のプレゼンテーション。リサーチコモンズプロジェクトでご活躍の岡彩子先生木村暁先生のご紹介もありました。

つづいて、3研究所+機構合同のプレゼンテーションでは、現在統数研で推進する大学共同利用機関としてのスパコンの役割や提供サービスについて、そしてビッグデータ時代ますます役割を増す情報学に関連して情報研の最新研究などをご紹介。また比較的メディア掲載の多い極地研については、データ取得の技術的問題や解析の課題など、成果への道のりや意義なども併せてご紹介しました。プレゼンテーションには、北村(統数研シニアURA)、礒野(極地研URA)、小濱(極地研広報室)、岡本裕子(情報研URA)が協力し、今回は池谷(コモンズ)が発表を担当いたしました。

遺伝研を除くメンバーはみな初めてのプレゼン会参加でしたが、とあるTV番組制作の方から「大学共同利用機関っていうものがあるんですね」とのご感想をいただくなど、各人がそれぞれの成果を持ち帰ったものと思います。

それにしても、メディアの方に「へえ〜」と興味を持っていただくのはなかなかの難題。研究所ごとに引き続き個性ある広報戦略を開発していくことこそが、研究成果をより広める鍵ではないかと感じました。

(池谷瑠絵)

大学共同利用機関シンポジウム2014

大学共同利用機関シンポジウム2014
大学共同利用機関シンポジウム2014〜研究者に会いに行こう! 日本の学術研究を支える大学共同利用機関の研究者博覧会〜が、下記のとおり開催されます。

日時:2014年 11月 22日(土)12:00 ~ 17:00
場所:東京国際フォーラムB7
ホームページ:http://www.nibb.ac.jp/inter2014/

研究者になりたい!最新の研究成果を知りたい!研究者と交流したい!そんな方々におすすめのイベントです
事前申込み不要・どなたでもご参加いただけます

[プログラム]
研究者が研究と自身のキャリアパスを語るトークセッション(13:00〜16:00)
藤森 俊彦(自然科学研究機構 基礎生物学研究所 教授)
「動物のからだの形づくりを探る」
キーワード 発生生物学、細胞分化、顕微鏡技術、哺乳類胚、工作

阿部 健一(人間文化研究機構 総合地球環境学研究所 教授)
「僕が熱帯林研究を続ける理由(わけ):生物学から人間学へ」
キーワード フィールドワーク、「森の人」、文理融合、昆虫少年の未来、設計科学

千田 俊哉(高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 教授)
「分子と生物:大型放射光で読み解く生命活動のしくみ」
キーワード 分子、細胞、X線、遺伝子、氏より育ち?

新井 紀子(情報・システム研究機構 国立情報学研究所 教授)
「人工知能グランドチャレンジ:ロボットは東大に入れるか」
キーワード 人工知能、自然言語処理、ロボティクス、 数式処理、科学技術の社会的影響

(コモンズURA)

情報・システム研究機構シンポジウム2014開催終了

情報・システム研究機構シンポジウム2014
去る10月17日(金)一橋講堂(東京都千代田区)において、「情報・システム研究機構シンポジウム2014ー新たなステージに立ち、ともに未来を拓くー」を開催し、約350名の方々にご来場いただき、盛況のうちに閉会しました。

関連記事:情報・システム研究機構シンポジウム2014参加受付開始(2014.09.11)

機構設立10年にあたる今年は、「これまでの10年」を振り返る前半と、「これからの10年」を見据える後半の2部構成のプログラム。その合間には、隣室の中会議場にて約1時間のリサーチコモンズおよび各研究所の研究活動を紹介するポスター・セッションが行われ、活発な意見が交わされました。

前半はまず、常盤豊 文部科学省研究振興局長から来賓のご挨拶をいただいた後、初代機構長の堀田凱樹名誉教授(ROIS)から「法人化をチャンスと捉えるには?」の講演。続いて、設立直後に発足した新領域融合研究センターの足跡を振り返り、立上げの苦労話や現在の研究成果との結びつきを報告する3つの講演が行われました(国立遺伝学研究所 城石俊彦副所長、国立極地研究所 伊村智教授、統計数理研究所 中野純司教授)。

後半は「大学共同利用機関法人としての機能強化〜データ中心科学の国際拠点を目指して〜」というテーマのもと、北川源四郎機構長が壇上に立ってロードマップを示すことからスタート。続いて、金出武雄カーネギーメロン大学教授/元産業技術総合研究所デジタルヒューマン研究センター長による招待講演「ロボティクスとビッグデータ」、元Google米国本社副社長兼Google日本法人社長の村上憲郎氏による「データ中心科学の推進と機構への期待」が行われました。この頃には、会場は立ち見が出るほどの盛況となり、さらに若手研究者代表による2つのトーク(統計数理研究所調査科学研究センター 稲垣佑典特任研究員、国立情報学研究所 鯉渕道紘准教授)、そして最後に丹羽邦彦機構長補佐による閉会挨拶が会を締めくくりました。

(コモンズURA)