効果的な広報・コミュニケーション活動

遺伝研プレスリリース倍増計画

遺伝研では2016年度から、記者目線の情報発信、研究者の負担軽減をモットーにプレスリリースの方法の改革に取り組みました。

2015年度まではサイエンスライターに外注してプレスリリース資料とインタビュー記事を並行して作成していました。しかしながら、その方法には、「研究者が時間を割いてインタビューを受ける必要があり研究者の負担感がある」、「資料作成に時間を費やし実施件数が限られる」、また、「プレスリリース資料にしては冗長なのではないか」など、検討すべき課題がありました。

2016年度から広報チームの体制が大きく変わることを受け、前述の課題の解決に取り組みました。まず、資料を広報チームと研究者だけで作成するようにしました。広報チームにて作成したフォーマットをもとに、研究者に文章と図を作成してもらい、この文章と図をたたき台にして広報チームにてリライティングする方法に変更しました。

私たちのリライティングで特に力を入れているが「概要」です。概要は、記者に数多ある資料の中から目を留めてもらい、記事にしてもらうための重要なセクションです。私たちのポリシーでは、概要そのままでも新聞記事の前文に使える程度にわかりやすく、短い文章にするよう努めています。

その他の特徴的な改善点は、研究者との連絡を広報チームの元研究者がおこなうことになったことです。元研究者が担当になったことで、研究者が重視したいと考えていること、負担に思うことなどが理解できるようになり、意思疎通がスムーズなったと感じています。これらの取り組みよって、研究者のモティベーションの向上や負担感の軽減につながっていれば嬉しく思います。

2016年度はこれらの取り組みが功を奏してか、研究者のプレスリリースに対する意識が高まり、前年度比3倍のプレスリリースを実施することができました(2015年度6件、2016年度18件)。本年度も順調に実施回数を重ねています。

(文、清野 浩明)

データサイエンスの広がりをテーマにシンポジウムを開催

情報・システム研究機構は、去る2月20日、「分野を超えたデータサイエンスの広がり~自然科学から人文社会科学まで~」と題したシンポジウムを、東京大学伊藤謝恩ホールで開催した。大学や企業の研究者など約270名が参加し、一部で立ち見が出るなどの盛況ぶりであった。

当機構は「現代社会が直面する複雑な対象を情報とシステムの観点から捉える」という理念を掲げ、いち早く、データサイエンスの重要性を主張し実践してきた。本年のシンポジウムでは、国立大学、大学共同利用機関法人、企業から講演者を招くとともに、本年度開設したデータサイエンス共同利用基盤施設を紹介する講演を行った。また、併設のポスター会場では、データサイエンス共同利用基盤施設および機構の4研究所がその具体的な活動を紹介するポスター展示を行った。

プログラムはまず、北川源四郎機構長による機構のこれまでの歩みの紹介、続く3名の招待講演では、大学におけるデータサイエンスに関する教育分野も含めた取り組み、データの所有権やオープンデータ化に向けた課題、日本が生き残るために人材育成の上でやらねばならないこと等、種々の提言などが示され、いずれも会場から大きな反響があった。参加者からも、講演資料の公開を強く要望されており、近々ホームページに公開する予定である。

施設の具体的活動については、新施設のセンター長らからの発表に加え、南極昭和基地からの中継もあり、現地のデータ観測の様子などが伝えられた。また、データサイエンスの推進に必要な人材育成についての講演や、藤井理事から「機構の新時代に向けて」と題した講演なども行われた。

本シンポジウムは、機構のデータサイエンス共同利用基盤施設および4研究所の代表者からなるSteering Committeeの協力を得、企画立案から実施まで、URAが中心になって取り組んできた。

当日の講演資料のダウンロード、講演動画の視聴は以下から可能です↓
http://www.rois.ac.jp/sympo/2016/index.html

機構シンポジウム講演集「データサイエンスの推進について」
ダウンロードは以下から可能です↓
https://ds.rois.ac.jp/center0/

(根岸、野水)

情報・システム研究機構シンポジウム2016

南極昭和基地からデータ観測の様子などを中継
情報・システム研究機構シンポジウム2016

北川源四郎機構長

URA組織間連携による研究力強化

遺伝研メソッド

「謹啓 師走の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。」で始まる丁寧なメールを受け取ったのは、昨年12月に入った頃。差出人は「熊本大学のURA推進室 陳 晨」と書かれてあった。

熊本大学は、情報・システム研究機構(ROIS)と同時に研究大学強化促進事業に採択された研究大学である。熊本大学ではこの事業で、生命科学系、自然科学系、人文社会科学系の3分野で国際共同研究拠点を組織して先端的な研究を推進するとともに、URA推進室を設置して研究力の強化を図っている。このURA推進室が「遺伝研メソッドで学ぶ科学英語プレゼンテーション」に着目し、科学プレゼンテーション能力向上セミナーの依頼をしてきたのであった。

「研究力の強化には研究発信力の強化が重要である」という認識は多くの研究者や組織運営者で共有されているから、「遺伝研メソッド」の教科書出版以来、大学等からの講演依頼は多くある。しかし、本を最初から最後まで読んだ上で、講義を希望する項目を提案してくるのは希である。講演依頼を受ける方としても、研究者が希望する内容や組織のニーヅを把握した依頼はありがたい。相談の結果、3月に黒髪キャンパスを訪問することになった。会場の附属図書館ラーニングコモンズには大勢の聴衆が集まった。URA推進室が考案してくださった大変魅力的なセミナータイトル「心をつかむ!研究者のための科学プレゼンテーションの極意」のおかげだろう。第1部の講演会では「聴衆の期待感を作り上げるテクニック」、「伝えたいことを効率よく伝えるためのプレゼンテーションの構造」など、「遺伝研メソッド」からいくつかの要素を紹介した。

第2部の「意見交換会」では研究者やURA推進室の人たちと「科学プレゼンテーションにおける悩みとその解決方法」についてディスカッションした。私は「遺伝研メソッド」の活用形態としては、英語講師による「科学英語」としての授業(詳細はこちら)の他にも「英語」という観点を含めないプレゼンテーションの授業や学会発表等の予行演習を支援する「道場スタイル」(詳細はこちら)など、いろいろな形態があることを紹介した。

「遺伝研メソッド」のコンセプトには多くの人が共感したのだろう。その場で「第2弾」を実施することが決定した。「第2弾」では、メソッド開発者の平田たつみ教授や遺伝研英語講師のタジ・ゴルマンも参加して英語表現についても取り上げるほか、「質問の仕方」のセッションや、数名の研究発表に対して参加者全員でコメントや助言を行う「マスタークラス」セッションを含めることも決まった。医学系・生命系研究者を主たる対象にするために会場を本荘キャンパスにして、同時通訳を付けて留学生にも対応することになった。

このような意見交換を通じてURA組織間の連携の有効性が明らかになった。研究大学強化促進事業で各大学は組織の成績を上げるべくしのぎを削っているが、研究がコミュニティー全体での活動であるのと同様、研究力強化も研究コミュニティーの共同活動である。遺伝研やROISの研究大学強化促進事業も「遺伝研/ROISの研究力」(だけ)ではなく、大学共同利用機関として大学等のコミュニティー全体の研究力強化に資する活動になるよう留意している。熊本大学とROISのあいだにはすでに、ROISのURAが「大型科研費獲得セミナー」の講師を勤めるといった協力関係がある。また、熊本大学のURA推進室はROISが開発したresearchmapベースの研究業績分析ツールの活用にも積極的に取り組んでおり、 これはresearchmapを基本としたIRのモデルケースになる可能性もある。今後はURA組織間の連携によって、コミュニティー全体の研究発信力強化、さらには研究コーディネーションや共同利用促進にも取り組んでいく。

写真・ポスター提供:熊本大学URA推進室

(遺伝研リサーチ・アドミニストレーター室長 広海健)

遺伝研メソッド

「公開講演会2016」を実施しました

国立遺伝学研究所_公開講演会2016

国立遺伝学研究所では、去る10月29日、一橋講堂で「公開講演会2016」を実施しました。多くの方にご来場頂き、誠にありがとうございました。

なお特設ウェブサイトで、講演の動画、講演者インタビュー記事、当日の様子(写真)をご紹介しております。ぜひご覧ください。

公開講演会2016「出張!!遺伝研〜研究所の教授陣が会場に集結!!〜」
https://www.nig.ac.jp/kouenkai/kouenkai2016/index.html

またyoutubeでも、以下の動画を公開しています。

(来栖光彦)

Cross Talk 2016

Cross Talk 2016 – I joined a world café session in the cross-talk 2016 at Shuzenji. You might have no idea about what is world café, but it was the same for me before attending. I was supposed to organize a small group with 5-6 people as a host to facilitate the discussion. Although I’ve never experienced this kind of events even in Japanese, the discussion we had was unexpectedly enjoyable and stimulating to me.

At table No. 5, our group tried to discuss about “diversity in science.” How brave to choose such difficult topic! At the beginning, one member asked an important question. “Because we still do not know whether diversity can contribute to science, first we should ask if it can or cannot, then need to discuss ‘why’ or ‘how’ diversity can contribute to science.” So we started it by raising both positive and negative sides of diversity especially in the research environment.

There were lots of aspects of diversity we knew, including gender, age, nationality, position, and cultural background. Is it beneficial to do scientific discussions? Because we had a wide variety of nationalities in the group, we focused on the differences based on the nationality and cultural background. Many of our discussion members had already experienced troubles in English communication in Japan, even though it is considered that the most common global tool for science communication is English. It was not simply due to our poor ability to speak in English, one of our member told. When a word in English language does not have corresponding word with exactly the same meaning in another language, then the English word can indicate slightly different meaning in that culture. Thus, we need to consider the case that you and your friend imagine different things from one word, resulting in the misunderstandings between you.

In addition, we talked about different values in different cultures. In Japan, ‘telephone boxes’ still survive and many people use bicycles to commute in city area, but in another country these tools are consider to be ‘low-tech’ things and nearly extinct. But once an emergency situation such as electricity breakdown occurs, those ‘low-tech’ tools became surprisingly useful. One member said, she wants to tell the merit to have diverse tools for the people in her country when she back home.

In the second round, after shuffling all discussion members excepting the host, we tried to continue the diversity conversation at the table No. 5.

One member studying auto-recognition of spoken language talked about an interesting research result. It says that, people from different countries sometimes have very different English accents. When two speakers with extremely different accents meet, initially they had difficulties in communication. However, they eventually ended up an intermediate accent between two extremes after several months of communication. I thought our brain might be more flexible than our belief, and the research was very indicative from the point of view of the brain science when we think diversity.

In the end of second round, the advisor on the table No. 5 kindly gave his thought to summarize the discussion. At the emotional levels, most people do not like a confrontation and thus people with similar thought or idea tend to get together to avoid conflicts with each other. However, many different ideas, originating from the different ways of thinking, can be beneficial to the progress of science especially in the process to reach an unknown right answer.

In the third round, these points were confirmed by the members in the first round, coming back from other discussion tables. They brought back different thoughts, ideas, and stimulated and deepened the original discussion of diversity.

In the summary of the World Café, I found through the comments from each host that the word ‘diversity’ had been transported to other tables repeatedly. It seemed that the members who once joined the discussion at table No. 5 stimulated many other members at different places later. It was one of the best exciting points of World Café I found. “Cross-pollination of ideas” stimulated so many members and lead their discussion to unexpected consequences during the session.

The World Café was great experience for me to hear actual voices from international graduate students directly, whether the diversity can contribute the promotion of science. Also it was precious as an Once-in-a-lifetime chance because it would be difficult to have the same members next time.

(日本語版はこちらから)

(Dr. Yoshiko Nakamura)

ROIS/I-URIC Crosstalk 2016

There are three “English islands”

ROIS/I-URIC Crosstalk 2016

I did the “Host” in my best.
ROIS/I-URIC Crosstalk 2016

Talking Object is “Bit (dog)=NII Character”.

ROIS/I-URIC Crosstalk 2016

Full view of the venue.

システムメンテナンスのお知らせ

システムメンテナンスのため、下記の通り本ウェブサイトの公開を停止いたします。ご不便をおかけしますが、ご理解の程よろしくお願いいたします。

メンテナンス日時:2016(平成28)年7月27日(水)18:00〜7月28日(木)正午

「遺伝研メソッド」によるプレゼンテーション講習会開催

遺伝研メソッド

研究者にとって研究プレゼンテーション(口頭発表)は必須の活動の一つです。プレゼンテーションの出来で研究の進展やキャリアが左右されることもよくあります。このような活動を支援するために、国立遺伝学研究所(遺伝研)では科学英語プレゼンテーションの方法論「遺伝研メソッド」を開発しました。もともと遺伝研の大学院(総研大・遺伝学専攻)の科学英語教育のカリキュラムとして作られたものですが、言語に依存しない発表技術も多く含まれており、科学的思考力を強化する内容なので、ポスドク・教員や英語を母国語とする留学生にも好評です。

「遺伝研メソッド」を広く知っていただくために、遺伝研リサーチ・アドミニストレーター室(ORD)は「科学プレゼンテーション講習会」(「日本語案内」「英語案内」)を企画しました。2014年に開催した「プレゼン道場」の内容を6時間のコースに集約したほか、旅費支援制度 (Need-based travel grant) の採用、英語で実施により外国人研究者との国際ネットワーキングを図るなど、企画にも工夫を凝らしました。

学会ホームページや研究者コミュニティーのメーリングリストを活用して参加者を募集した結果、国内22大学・研究機関から研究プレゼンテーション能力向上に興味を持つ46名の研究者が三島に結集しました。講義と実践演習をくみあわせた2日間のワークショップを通じ、メソッド開発者である平田たつみ教授(脳機能研究部門)をはじめとする3人の講師から、科学プレゼンテーションの本質、伝えたいことが伝わりやすくするためのプレゼンテーションの構造、理解しやすくするための小技、などを学びました。

(遺伝研リサーチ・アドミニストレーター室)

遺伝研メソッド

国立情報学研究所 NII SEEDs集刊行

国立情報学研究所NII

NIIにはどのような研究に強みを持つ研究者が在籍するのか知りたいという企業の方々からいただく声にお応えして、この度、研究概要を分かりやすくご紹介する研究シーズ集「NII SEEDS」2016年度版を作成しました。

『NII SEEDS』はNIIのホームページからダウンロードいただけます。

過去のご紹介はこちらから
2014.04.05
国立情報学研究所 NII SEEDs集刊行

(岡本 裕子)


情報・システム研究機構シンポジウム オープンサイエンスにおける研究データのオープン化 ー大学のデータ駆動型学術研究を加速するためにー 開催報告

情報・システム研究機構シンポジウム オープンサイエンスにおける研究データのオープン化 ー大学のデータ駆動型学術研究を加速するためにー 開催報告

情報・システム研究機構は、2月8日(月)に東京・文京区の東京大学伊藤謝恩ホールにおいて、「オープンサイエンスにおける研究データのオープン化ー大学のデータ駆動型学術研究を加速するためにー」と題したシンポジウムを開催し、大学や企業の研究者など約250名が参加した。

機構では、平成28年度から法人第3期が始まるのにあたり、オープンサイエンスに向けたデータの整備、これらのデータを駆使した大学の研究力強化に向けた支援事業を進めることから、「オープンサイエンスにおける研究データのオープン化」をテーマとして今回のシンポジウムを開催した。

北川機構長による開会挨拶、文部科学省研究振興局学術機関課長である牛尾 則文氏からの来賓挨拶に続き、九州大学名誉教授(前総長)であり、内閣府オープンサイエンスに関する検討会の座長である有川 節夫氏から「オープン化による新たなサイエンスの展開」と題した基調講演が行われた。さらに、極域科学分野における取り組みについて情報通信研究機構の村山泰啓氏から、生命科学分野における取り組みについて東京大学教授の高木利久氏からそれぞれ講演が行われ、さらに、最近注目を集めているデータジャーナルについて、Nature Publishing Groupの新谷洋子氏から講演が行われた。

後半のパネル討論では、情報・システム研究機構のシニア研究者により、「研究現場におけるオープンデータの進め方」と題して、研究分野の違いやデータを取り扱う立場の違いなどによる様々な問題点について議論が交わされた。

参加者からは、「海図のないパネル討論は面白かった・良かった」「研究現場からの意見や状況を聞けたことが良かった」「期待以上だった」「前半に利用サイド・後半にパネルで非常にバランス良い内容で勉強になった」といった感想が寄せられ、盛会のうちに終了した。

(コモンズURA)

北川機構長の開会挨拶

北川機構長の開会挨拶
牛尾学術機関課長の来賓挨拶

牛尾学術機関課長の来賓挨拶

有川節夫氏の基調講演

有川節夫氏の基調講演
会場の様子

会場の様子
会場の様子(パネル討論)

会場の様子(パネル討論)