活動報告

大学共同利用機関シンポジウム2017で当機構の活動を紹介

大学共同利用機関シンポジウム2017

2017年10月8日、アキバ・スクエア(千代田区)にて、「大学共同利用機関シンポジウム2017(大学共同利用機関協議会・大学共同利用機関法人機構長会議主催)」が開催された。天候には恵まれたものの、三連休の中日とあって人出があまり期待できないなか、627名にご来場・ご観覧いただくことができた。

当機構は、昨年度に引き続きビッグデータ時代における学術データ基盤の共同利用・共同研究について、データサイエンス共同利用基盤施設(DS)を中心に、人文学データの元となる古典籍など、研究成果に関わる具体的な展示物を用いて紹介したり、北極研究やゲノミクスをテーマとした「サイエンスリポートWebSite」の動画展示などを行った。また昨年同様、所属の4研究所と一体感ある展示を展開した。講演ではDSの門倉昭 極域環境データサイエンスセンター長が、当機構の紹介のほか、南極・北極データをテーマにデータサイエンスを紹介した。

極地研の講演は南極からの中継で、昭和基地の田邊優貴子助教が登壇し、会場の質問等に答えるなど、会場をもり立てたほか、情報研の公式キャラクター「情報犬ビットくん」がご来場者と握手を交わすなど、さまざまな手段を駆使して、広く大学共同利用機関の取り組みを紹介した。

大学共同利用機関シンポジウム2017

演壇に立つデータサイエンス共同利用基盤施設 門倉昭 極域環境データサイエンスセンター長

大学共同利用機関シンポジウム2017

人文学オープンデータセンターの研究成果に関わる展示物の様子

(本部機能強化チーム)

サイエンスリポート011 | 植物ゲノムは暮らしのどこに役に立つ?

サイエンスリポートwebsite011_植物ゲノムは暮らしのどこに役に立つ?

広く大学・研究機関等の研究をご紹介する『サイエンスリポートWebSite 』第2シリーズ「僕らはゲノムでできている」の第4回記事「生物学とデータベースの関係は?」を公開しました。ぜひご覧ください。

地球上の多様な生命活動の中で食物連鎖のてっぺんにいるのがヒトとすれば、植物は底辺を担う。しかも植物には光合成という重要な働きがあり、植物なしには、その上にいる動物もみんな生き延びることができない。光合成過程で重要な役割を担っているのが、シアノバクテリア(ラン藻)である。生物や地球環境の進を考える上でも重要なこの生物は、1996年、世界で4番目に全ゲノムが明らかにされた。解読に成功したのは、日本の研究所──公益財団法人かずさDNA研究所である。千葉県にあるこの研究所は、特に植物ゲノムの研究やデータベースで知られ、シアノバクテリア解読以降も研究機関・大学との共同研究や産学連携によりシロイヌナズナ、トマト、ハクサイ、ユーカリ、食用イチゴ、カーネーション、ダイコン、サツマイモ、ソバ、ラッカセイ祖先種、イチジク、サクランボ「佐藤錦」等のゲノム解読を次々に共同発表してきた。野菜や果物が多く含まれていることからもわかるように、植物のゲノムは農業や食物を通じて私たちの生活に直接関わるほか、地球温暖化による環境変化に適応するためにも欠かすことができない。今回は、そんな植物ゲノムの世界をのぞいてみることにしよう。

またコラムでは、植物約2,50万種を検索できる「ナショナルバイオリソースプロジェクト」を紹介。シロイヌナズナ、イネ、コムギ、オオムギ、広義キク属、アサガオ、ミヤコグサ・ダイズ、トマト、藻類等。その例として、国立遺伝学研究所が代表機関を務めるイネ(稲)データベース:Oryzabaseへのリンクを設置。

■Science Report011「僕らはゲノムでできている」
サイエンスリポートwebsite | 植物ゲノムは暮らしのどこに役に立つ?

答える人:田畑哲之(かずさDNA研究所)
かずさDNA研究所所長。1996年のシアノバクテリア(ラン藻)ゲノム解読では、中心的役割を果たした。1997年東京テクノフォーラム21ゴールドメダル賞、2001年日本植物生理学会特別賞、同年Kumho Science International Award等を受賞。略歴はこちら。

(池谷瑠絵)


サイエンスリポート010 | 生物学とデータベースの関係は?

サイエンスリポートwebsite010_生物学とデータベースの関係は?

広く大学・研究機関等の研究をご紹介する『サイエンスリポートWebSite 』第2シリーズ「僕らはゲノムでできている」の第4回記事「生物学とデータベースの関係は?」を公開しました。ぜひご覧ください。

実験や観察で得られた個々ばらばらなデータを統合して、みんなで使えるようにする、というのは科学者の大きな夢のひとつだろう。学術のビッグデータが公開され、研究コミュニティが自由に利用できると、科学の発展が加速する。そこで学術データを標準化し、統合化しようとする動きが、世界的に進められている。そのためにはまずデータが公開される必要があるが、学術データのオープン化は、世界的にも特にヒトゲノムの公開で加速してきた経緯がある。生物の圧倒的に多様な世界を統合するために、実際にどんなふうにデータが収集・整理され、どう役立てられているのだろうか。21世紀の生物学とデータベースの切っても切れない関係をのぞいてみよう。

またコラムでは、10周年を迎えた「BioHackathon 2017」を紹介。2017年9月9〜10日、JSTサイエンスプラザ(東京都千代田区)にてシンポジウムを、11〜16日ホテル大観(岩手県)にて合宿形式の会議を開催する。

■Science Report010「僕らはゲノムでできている」
サイエンスリポートwebsite | 生物学とデータベースの関係は?

答える人:五斗 進、片山俊明(ライフサイエンス統合データベースセンター)
(五斗 進)情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 ライフサイエンス統合データベースセンター(DBCLS)教授。大量のゲノム情報を整理して解析する「バイオインフォマティクス」を専門とする。(片山俊明)同、特任助教。今年10年目を迎えるライフサイエンスデータの標準化に関わる合宿形式の国際会議「BioHackathon」を担う。

(池谷瑠絵)


サイエンスリポート009 | ゲノムはどんな意味を持つのだろう?

サイエンスリポートwebsite009_ゲノムはどんな意味を持つのだろう?

広く大学・研究機関等の研究をご紹介する『サイエンスリポートWebSite 』第2シリーズ「僕らはゲノムでできている」の第3回記事「ゲノムはどんな意味を持つのだろう?」を公開しました。ぜひご覧ください。

人間ひとりひとりや多種多様な生物種のゲノムが、ますます高速かつ大量に読み取られ、公開される時代になってきた。ゲノムはまさに生命科学のビッグデータであると同時に、ゲノムが決まるということは、人間個人や生物種を識別できることを意味する。ヒトとチンパンジーの塩基配列の違いがたった1.23%であるとか、これまでの進化の系統樹が書き替えられるといった新しい知見は、まさにゲノム解析の賜物と言えるだろう。ゲノムによってさまざまな科学的仮説が検証できることから、ゲノムそのものを対象としない研究においても、ますますゲノム解析が要請されるようになっている。──ゲノム解析が必要な研究は、どう進められているのだろうか。

またコラムでは、国立遺伝学研究所(静岡県三島市)などが取り組む「ナショナルバイオリソースプロジェクト」のナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)情報公開サイトを紹介。NBRPのリソースを利用した研究論文は、現在およそ2万8,000本にも及ぶ。

■Science Report009「僕らはゲノムでできている」
サイエンスリポートwebsite | ゲノムはどんな意味を持つのだろう?

答える人:小原雄治特任教授(国立遺伝学研究所)
国立遺伝学研究所 特任教授、ライフサイエンス統合データベースセンター(DBCLS)センター長、新学術領域研究「先進ゲノム支援」研究支援代表者。研究の発展には、これらのデータの収集・共有が必須であることから、統合データベースの構築・整備に注力する。

(池谷瑠絵)


サイエンスリポートwebsite_英語版006

サイエンスリポートwebsite_英語版005

広く大学・研究機関等の研究を採り上げ、一般・マスコミの方々にご紹介する『サイエンスリポートWebSite 』を海外へ向けて発信する「英語版」の公開を開始いたしました。第6回は「Team Japan Looks to Connect All the Climate Dots in the Arctic」。ぜひご覧ください。

■Science Report006 | Team Japan Looks to Connect All the Climate Dots in the Arctic
Ask an Expert: Hiroyuki Enomoto (The National Institute of Polar Research – NIPR)

(池谷瑠絵)


サイエンスリポートwebsite_英語版005

サイエンスリポートwebsite_英語版005

広く大学・研究機関等の研究を採り上げ、一般・マスコミの方々にご紹介する『サイエンスリポートWebSite 』を海外へ向けて発信する「英語版」の公開を開始いたしました。第5回は「What Is the Arctic? It’s Complicated.」。ぜひご覧ください。

■Science Report005 | What Is the Arctic? It’s Complicated.
Ask an Expert: Shinichiro Tabata (Hokkaido University)

(池谷瑠絵)


サイエンスリポートwebsite_英語版004

サイエンスリポートwebsite_英語版004

広く大学・研究機関等の研究を採り上げ、一般・マスコミの方々にご紹介する『サイエンスリポートWebSite 』を海外へ向けて発信する「英語版」の公開を開始いたしました。第4回は「Will Living Organisms Survive the Arctic Climate Change?」。ぜひご覧ください。

■Science Report004 | Will Living Organisms Survive the Arctic Climate Change?
Ask an Expert: Dr. Shigeto Nishino and Dr. Eiji Watanabe, Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology (JAMSTEC)

(池谷瑠絵)


ROIS/I-URIC Crosstalk 2017(4機構連携合宿)を今年も開催

当機構は、昨年に引き続き大学共同利用機関法人4機構連携企画として平成29年度「ROIS/I-URIC若手研究者クロストーク2017」を9月21日〜22日に信州松代ロイヤルホテルにて開催。総合研究大学院大学(総研大)の学生11名を含め4機構から52名の研究者らが参加しました。

ROIS/I-URIC若手研究者クロストーク2017」は、次世代を担う若手研究者の「つながり」を創出・深化させる合宿形式の討論会です。当機構創設以来、新領域融合研究センターが融合研究への取り組みの一環として開催してきたもので、昨年度から大学共同利用機関法人4機構連携企画として実施しています。URAステーションが事務局を務めました。

本年度は「異分野がもたらすブレイクスルー」をテーマに、すべてのプログラムを英語で行いました。

1日目は、まず国立極地研究所と統計数理研究所の研究者から「分野融合研究」などに関する講演と質疑、「1分間研究紹介」「ポスターセッション」が続きました。休憩をはさみ、藤井機構長からの講演が行なわれました。機構長講演では、ノンタイトルで、事前の要望に基づき、ROISの成り立ち、融合研究に対する理念、若手研究者に期待していること等がテーマでした。

2日目は、合宿のコアとなるワールドカフェ形式の討論があり、「異分野融合研究」や「若手研究者/学生が抱える悩み」について、熱心で真剣な意見が交わされました。テーブルには藤井機構長も入り議論を交わしたほか、各テーブルから報告を受ける全員共有の際にも、若手の意見・質問・将来への不安などにも真摯に応えていました。午後には、国立情報学研究所と国立遺伝学研究所の研究者から講演があり、熱心な質疑応答ののち、閉会となりました。

今回も4機構全てから研究者の参加を得たとともに、外国人学生の参加がこれまで以上に多く、研究分野や考え方の違いに驚きながらも、将来への不安なども含め、熱心で真剣な意見が交わされ、若手研究者の交流と深く議論を行なう場として相応しい内容となりました。

また、今回も子供連れで参加できるよう臨時託児所を設置し、5名のお子さんを預かりました。

今回もプレゼン資料やプレゼン本体、ポスターやディスカッションを英語主体としましたが、クロストーク全般がほぼ英語で実施されました。また、1日目には、深夜まで議論を続けるグループもいくつかあり、参加者からも、異分野の研究者と出会えた、とても有意義だった等の感想が寄せられ、本クロストークの目的である若手研究者の「つながり」の創出が果たせたと考えます。

当機構では引き続きこのような取り組みを通じて、分野融合・融合研究を牽引する人材育成の風土醸成を図っていきます。

(本部機能強化チーム)

クロストーク2017

会場となった信州松代ロイヤルホテルにて

クロストーク2017

1分間研究紹介

RA協議会第3回年次大会に参加

リサーチ・アドミニストレーター協議会(RA協議会)第3回年次大会が2017年8月29日(火)〜30日(水)に、徳島県のあわぎんホール(徳島県郷土文化会館)で開催されました。今回の参加者数は559名で、25の大学セッション、9の企業セッションの他、ポスター発表、口頭発表、企業のブース展示等が行われました。

当機構からは10名が参加し、URAの人的ネットワークの深化・拡大をはかるとともに情報収集に当たりました。前日の8月28日には運営委員会が開催され、当機構から丹羽シニアURAが参加しました。また、今年度は今井シニアURAが実行委員を務めて運営企画に携わり、プログラムの検討から事前会場の準備まで尽力しました。

1日目のオープニングにあたる関係省庁講演で、文部科学省から「平成27年度 大学等における産学連携等実施状況について」の講演があり、その中で民間企業との共同研究のデータが示されました。当機構は、1件当たりの研究費受入額で第30位、 企業からの受託研究でも1件当たりの研究費受入額で第26位と、いずれも大学共同利用機関法人で唯一30位以内にランクインしていました。 講演ではその他、産学連携というテーマに関連して、URAに対する企業と大学、大学間、研究者間といったインターフェースや橋渡し機能への期待が強調されていました。またポスター発表では、国立遺伝学研究所の来栖URAらが『大学への貢献を可視化:共同利用・共同研究の改善に向けた取り組み』を発表し、多方面の大学関係者と大学共同利用機関のミッションについて活発な意見交換を行いました。

2日目のスキルプログラム専門委員会の教育セッション「プレアワード」では、JSTのCREST領域運営アドバイザーでもある野水シニアURAが講師を務め、科研費改革やJST担当時代の裏話から現状まで含めた講演を行い、好評を博していました。また国立極地研究所の礒野URAは、『大学共同利用機関における研究力強化への取り組み 〜3年間の成果とURAの貢献〜』と題する口頭発表を行い、URAをはじめとする聴講者等が熱心に耳を傾けていました。なお全体プログラムを通じ、産学連携に関連してオープンイノベーション、契約などの新しいトピックが盛況であったことも印象的な大会となりました。

(本部機能強化チーム)

サイエンスリポートwebsite_英語版003

サイエンスリポートwebsite_英語版003

広く大学・研究機関等の研究を採り上げ、一般・マスコミの方々にご紹介する『サイエンスリポートWebSite 』を海外へ向けて発信する「英語版」の公開を開始いたしました。第3回は「What is happening with the Arctic Sea Ice?」。ぜひご覧ください。

■Science Report002 | Does Arctic Warming Bring on Colder Winter for Japan?
Ask an Expert: Associate Prof. Kazutaka Tateyama (Kitami Institute of Technology)

(池谷瑠絵)